104 必殺技
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りでとっとと消えちまえって思ってんだろ!?それから今てめえの弟を連れて逃げてる城ヶ崎姫子だっけ?そいつも生意気だから嫌いなんだろ!?だからもう関わりたくねえって思ってんだろ!?」
「う、うるさい!!ぼ・・・僕はそんな事思ってない!」
「じゃあ、てめえにとって藤木や城ヶ崎って何なんだあ!?友達じゃねえだろ!?ただのお邪魔虫だろ!?俺がてめえの家族を嫌ってんのと同じじゃねえかよ!!」
「う・・・」
永沢は確かに藤木には邪険に扱い、城ヶ崎とは喧嘩をしてばかりいたので、何も言い返せなくなった。
「うるさい!!」
「『うるさい!!』ぎゃははは!!」
各務田は永沢の口を真似して笑った。
『14番、藤木茂君、入江小学校』
藤木の演技が始まった。
(僕の全てを見せてやるぞ・・・。見ていてくれよ、父さん、母さん、片山さん、みどりちゃん、そして、堀さん・・・!!)
「藤木さん、頑張って下さい・・・!!」
みどりが切実に応援する。
(藤木君、頑張って、私、本当は藤木君が好きなの・・・スケートしてる藤木君が・・・、どうか失敗しないで・・・)
堀は無言で応援した。
「茂、お前の実力を見せてみろ・・・」
「茂・・・」
藤木の両親も心配しながら息子を応援した。
(藤木君、いよいよ君の番が来たな・・・。さあ、誰にも負けないような演技、見せたまえ・・・。私は君が一番になれると信じている・・・)
片山は藤木のプレイへの期待を高めていた。
藤木はカーブして滑り出した。
(まずはトリプルを三種類決めるんだ!!)
最初にトリプルルッツ、そしてすぐさまトリプルトウループ、そしてトリプルループを決めた。いずれも転倒する事なく成功した。
(上手い!ジャンプの中で二番目に難しいルッツを最初に出すとは!!)
片山は称賛した。そして藤木は軽快にステップを踏み続ける。そしてコンビネーションスピンを見せた。13回転はした。
(よし、基準をクリアだ!)
藤木はさらにダブルアクセルを行い、そして上半身を前に倒して左足を上げたスパイラルを行い、緩やかに三回転した所で足を下ろし、トリプルサルコウを行い、そして、フライングキャメルスピンに入った。スピンは8回転と、基準の6回転を越えた。
(どうか、最後の最後も失敗なしで行ってくれ!)
藤木は己に頼んだ。そして、ダブルルッツ、ダブルアクセルを立て続けに成功させた。そして、足換えシットスピンを行った。
「藤木さん、素敵です・・・!」
「藤木君、いい調子ね・・・。最後まで失敗しないで・・・」
みどりと堀も藤木を見守っていた。
ここまで七つのジャンプを行った。規定では八種類までなのでジャンプはあと一つ。それは藤木にとって最後まで残した最も見せたい技であり、難しいと思う技だった。
(どうか
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