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とある3年4組の卑怯者
104 必殺技
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を自分の服の中に入れた。太郎が泣き止んだ。これで少しは太郎の体が暖まればと願った。
「太郎君、あったかい?」
 城ヶ崎は太郎に聞いた。
「たー、たー」
 太郎は気持ちが良さそうにしていた。
(どうか逃げ切れますように・・・)
 城ヶ崎は自分が太郎を守り抜ける事を祈った。

 城ヶ崎の両親から娘を助けて欲しいと依頼された三人組の警察官は丁度静岡県警の指令を受けて各務田の捜索をしていた。また、各務田は元町内会長の息子でその元町内会長も暴力団と関わりを持って何度か逮捕された事があったので息子も要注意人物とされていた。さらに、赤子を抱えて逃走している少女を追っているのは各務田の部下だと勘づいた。しかし、彼女の行方が掴めぬままだった。
「ふう、見つかんねえな」
「もしかしたら、その子も各務田の部下から逃げようとどこかに隠れているかもしれねえ」
「そうなると保護ができないぞ!どうすれば・・・」
「とにかく奴らよりも先にその子を見つける事だ!」
 警察官達も城ヶ崎を探すのに苦労をしていた。

 大会は後半に入った。
「そろそろ茂の番が近づいて来たわね」
「ああ、あいつの演技が楽しみだな」
 藤木の両親は息子の登場を楽しみにすると共に失敗しないか心配になっていた。
 現在13番の出場者が演技中だった。
(いよいよ僕の番が来る・・・)
 藤木は心臓の鼓動がこれまでにない程強くなっていた。
「14番、藤木茂君、準備をお願いします」
「はい」
 誘導係に呼ばれて藤木は控え室を出て、リンクに向かった。

 リリィと笹山は交番に来たが、現在警察官は一人のみでその場を空けられなかったので断られてしまった。しかし、県警の人間を多く出動させていると聞いたので、出回っている警官を探す事にした。
「お願い、城ヶ崎さん、死なないで・・・」
 笹山は泣きそうになっていた。
「でも永沢君が捕まったって事は永沢君はもしかして・・・」
 リリィは最悪の予想をしてしまった。
「やめて、永沢君が殺されたなんて!永沢君は嫌な事ばかり言うけど、それでも大事なクラスメイトよ!」
「ご、ごめん、そうよね、永沢君はきっと生きてるわよね・・・!!」
「貴方達、永沢君ってもしかして、永沢君男君の友達なの?」
 誰かに声をかけられた。リリィと笹山はまさかあの城ヶ崎と太郎を追っている人間かと思った。一人の女性が立っていた。

 永沢が口を割らずに各務田から殴られ、蹴られ続ける。
「てめえ、いつまで無駄な抵抗を続けてやがる!てめえだって俺と同じように思った事あんだろ!」
「ど・・・、どういう意味だ・・・?」
「てめえは藤木茂とかいうガキから勝手に友達扱いされてんだっけなあ!?あんな卑怯な奴とは手を切りたくても向こうからしつこくくっついてきやがる。目障
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