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とある3年4組の卑怯者
103 逃走
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き声が聞こえた。そして、遠くから一人の少女が駆けてくるのが見えた。
「じょ、城ヶ崎さん!?」
「えっ!?リリィさんっ!?」
 リリィは見当がついた。赤子を抱えた少女とは城ヶ崎の事だと。城ヶ崎は靴を履いておらず、コートも着ていなかった。
「ごめんっ、私達変な人達に追い掛けられてるのっ!永沢も捕まっちゃったし、これ以上迷惑かけられなくて誰かの家に隠れる事もできないし・・・」
「なら、私の家に・・・」
「そんなのダメよっ!リリィさんにまで危害が及ぶわっ!!私で太郎君を守らないとっ・・・!ごめんねっ!!」
 城ヶ崎はそう言って走り去った。リリィは何かできる事はないか模索した。
(どうすれば・・・)
 その時、リリィにはある事を思い付いた。城ヶ崎は笹山と親しい。なら笹山なら彼女のために動いてくれるのではないか?男達が歩き回って城ヶ崎と太郎の行方を探っているという事は笹山の家にも現れて聞いているのではないか?リリィはそう考えて笹山の家へ行き聞いてみる事にした。

 城ヶ崎の両親は飼い犬のベスと共に何とか家から脱出していた。ベスが吠えて各務田の部下を足止めさせていたので、何とか逃げる事が出来た。しかし、通報しても警察がいつ彼らを逮捕できるかは見透しがつかない。その時、自転車に乗る警察官の姿が3人ほど見つけた。二人は警官達を呼ぶ。
「すみません!大変です!!」
「どうしましたか!?そんな慌てて!」
「娘が不審な奴に追われているんです!その子はこのくらいの身長で素足で逃走していて、知り合いの 赤ちゃんを抱えています!見つけたら保護をお願いします!!」
「わ、分かりました!今すぐ探すぞ!!」
 三人組の警察官は自転車を走らせた。
「姫子、大丈夫かしら・・・?」
「大丈夫だ、あの子は気が強いから何とかできるだろう・・・。きっと太郎君を最後まで守ろうとするさ・・・!」

 永沢は各務田の質問に対して口を開かず、殴られ、蹴られ放題にされていた。お陰で顔はあざだらけとなり、全身に痛みを感じていた。さっさと言えば楽かもしれないが、言えば自分は殺される。この男の前では命乞いなど無意味だ。なら助けが来る事を信じて暴行に耐えるしかなかった。
「いつまで悪あがきしてやがんだ、タマネギ坊主!!」
「う・・・」
「おめえ、まさか死にたくねえとか考えてんのかあ!?バーカ、俺は親父や俺をコケにした奴らの家族を消すと決めてんだ!!だから、楽してえんだったらてめえは死ぬしかねえんだよ!!」
「じゃあ、さっさと殺せばいいだろ・・・!?」
「うるせえ!!てめえの親の居場所はおめえが知ってんだ!!おめえが言ってくれりゃ一つの事が済むのによ、てめえがさっさと言わねえからいけねえんだろが!!」
 各務田は永沢の顎を殴り上げた。

 御殿場のスケート場では、和島の
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