第三部 古都にけぶる月の姫
死神
[5/5]
[8]前話 [9]前 最初 [2]次話
、わざわざ迎えに来てくれたのかな?でもごめん、ちょっと疲れ―――
駆け寄ってくる姿を見ながら、私の意識は闇に引きずり込まれた。
◆◇◆◇
こちらを見て微かに笑ったかと思うと、ふっと頽れた文姫。
その姿を見た瞬間、躊躇なく走り出していた。ゲオルク達の、置き去りにされていた構成員の声が聞こえてくる中、一心不乱に彼女のもとへと駆け寄る。崩れ落ちたその体を抱きとめる。何とか、間に合ったか……。
腕の中の彼女の首に手を這わす。確かな脈動が感じられて、ほっと全身の力を抜く。しなだれかかってくる彼女の感触を全身に感じる。……服の質感が感じられないな。
改めて彼女の姿を見直してみれば………かろうじてそれが衣服であったと判別できる程度の布しか残っていない
意外に豊かな胸も、滑らかな曲線を描く肩も、くびれた腰も、ほぼ剥き出しの状態だ。肩紐も片方は切れてしまっている。
そしてふと背後を顧みれば、固まった状態のジーク、ゲオルク、ジャンヌ、ヘラクレスの幹部陣と、へたり込んでいる構成員の一人。全員、しっかりと彼女のほうに視線を向けていたな……
「―――よし。見たやつ全員、すぐに記憶から消せ。できないならオーフィスに特攻してこい」
「「「「ちょっと待て!!」」」」
何か間違っただろうか。
[8]前話 [9]前 最初 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ