102 重圧(プレッシャー)
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は己を不安な心を自分で叱りながら本番までの時間を過ごした。そして、本番の開始時間が訪れた。まずは開会式が行われた。アナウンスが入る。
『会場の皆さん、本日はご来場頂き誠にありがとうございます。これより静岡県男子アマチュアスケート大会ジュニア部門を開会致します。まず始めにスケート協会静岡県支部長小山利夫様よりご挨拶です』
アナウンス係から呼ばれてスケート協会静岡県支部長の小山利夫がスケートリンクの入り口でマイクを持ち、喋り始めた。
「皆さん、ご来場ありがとうございます。スケート協会静岡県支部の小山です。本日は栄えあるこの大会、出場者の皆さんはこの日の為に練習をしてきたと思います。出場者の皆さん、このスケートリンクで自分の持ち味を大きく活かし、そして審査員に最大限にアピールできるよう、頑張ってください!そしてこれは大きな世界に進むためのちっぽけな大会ですが、この大会をバネにさらに大きく羽ばたく事を私は願っています。以上です!!」
小山氏は喋り終わると審査員用に設けられた席へ引き上げた。
『小山様、どうもありがとうございました。それでは審査員のご紹介をします』
アナウンス係が審査員の紹介を終える。そして、参加者用控え室ではエントリーナンバー1番の出場者が誘導係から呼ばれ、スケートリンクへと連れて行かれた。
(じきに僕の番が来るんだな・・・)
藤木は水飲み機へ行き、水を飲んだ。そして、控え室へ戻り、1番の出場者のステップシークエンスの上手さに感心した。
(僕にもこれまでの特訓で鍛えた技を見せてやるぞ!それも僕にしかできないような技を・・・!)
藤木の心は緊張とプレッシャー、そして勝利のための熱意、この三つのみ抱いた。そして今はそれでいっぱいだった。
2番、3番、4番と次々の出場者が華麗な演技を見せていた。しかし、中には失敗した者もいて、トリプルがシングルになってしまったり、体のバランスを崩してしまった者もいた。 藤木はその者を見て失敗の怖さを感じ取った。
(失敗は悔しいよな・・・。どうかあの技、失敗しないでくれ!!)
藤木は祈った。
「エントリーナンバー10番、和島俊君、そろそろ出番です」
「はい」
誘導係に呼ばれ、和島は控え室を出ていった。
(どうか、和島君が失敗してくれますように・・・)
その時、藤木は自分行っている事を顧みた。
(何考えてんだ!自分が自信持てないからってそんな卑怯な事考えるなんて・・・!俺は卑怯を治すと決めたんだった。なら自分が全力を見せなくちゃ!)
藤木は反省した。
『10番、和島俊君、船越小学校』
和島の演技が始まった。藤木は和島の演技をモニターで見る。
(和島君の4回転アクセル、きっと高い評価がつくんだろうな・・・。僕の技はそれ以上の評価をしてほしいな・・
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