11話→放課後A機械の国のアリス
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一般家庭では見慣れない赤絨毯の上で、お手伝いさんに配膳されながら飯を食う。
これが、金持ちの食事というものか。
なるほど、分からん。
庶民的な食事に慣れているからか、いまいちこの食事の価値が分からない俺は、小声で呟いた。
「ご馳走してもらうのはありがたいが、なんか慣れないんだよなぁ」
外出先での食事も多く、テーブルマナーに関しては特に苦手な訳ではないが、庶民である俺としては、飯を喰う時には箸オンリーの方が落ち着くんだよな。
と、考えを巡らせていると、端と気づいた。
俺、束に今回の一夏の飯の手配頼んだっけ。
少し慌てて、束の方に向き直る。
「束、話は変わるが、一夏に確認の連絡した?」
「話題変換が唐突だね〜。で、一夏くんなら、箒ちゃんがちゃんと篠ノ之の家に連れていってるから大丈夫だよ〜」
マイペースに皿の肉を片付けた束が、のんびりと返す。
いや、流石にちゃんとしているといっても一夏は小学生。
中身暗黒を自認する俺も、夕飯ちゃんと食べてるかの確認くらいはするわ。
「なら大丈夫だな」
ほっと胸を撫で下ろすと、目の前のジンに水を注いだメイドが、ゆっくりとこちらに向かってくる。
「お水はいかがでしょうか?」
そう伺うのは、金髪のメイド、神千雨(ジンチサメ)さん。
同じ名字だが、ジンとは血が繋がっていない。
クロトと違い、一目で分かるほど、彼女の容姿は日本人離れしていた。
豊かな金髪を後ろに流し、メリハリの利いたと言うには余りにもワガママボディーをメイド服に押し込めている。
その赤い瞳と合わせて、彼女が日本人で無いことは容易に理解できる。
親父さんの話では、10年ほど前に仕事の関係で引き取ったらしい。
「頂くよ。ありがとう」
「どういたしまして。太郎様」
短く感謝の意を表すると、水を注ぎながら返事が返される。
何時ものように礼を言う太郎、その手元には、何時置かれたのか不明のメモ。
フォークを皿の横に置いたときに気づいたそれを、太郎は器用に小指を引っかけて開ける。
メモには短く、こう書かれていた。
『夜12時に、社長室へ。神時法(ジントキノリ)』
あーあ、よりによって、社長呼出かよ。貴重なサボりタイムが……。
表情にでないように、心の中で短く文句を足らしながら、太郎は残りの飯を片付けた。
さて、いよいよ『アリス』とご対面か。
食事を終えて、ジンの部屋のドアを開けると、中から早速、歓迎の声がかけられた。
『いらっしゃいませ!』
一時期世間を賑わせた、電子の歌姫のような声が、歓迎の意を告げる。
電子で構成された、立体的な少女。
金髪のロングヘアに、青と白で彩
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