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魔道戦記リリカルなのはANSUR〜Last codE〜
Epica8-D邂逅〜Scout〜
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ー!」

振り下ろされるノーヴェさんの右腕。それと同時、「・・・!」ヴィヴィオさんが驚くほどの速さで間合いを詰めて来た。繰り出される右の拳打ですが、不意打ちを狙ったにしては遅い。左掌でそれを防ぐと、彼女は迷うこともなく蹴打などを織り交ぜた連撃を打ち込んでくる。

(陛下は、あとのお楽しみに、と言っていましたが・・・。やはりこの程度・・・)

独特の足運びから移行する高機動の移動法。趣味と遊びの範囲である彼女や、それに対する相手ならばそれは素晴らしい武器になるでしょうが・・・。でも私や、私の目指す戦いの場では通用しません。

(すべてが真っ直ぐ。攻撃も、その瞳も、心も・・・。だから嫌だった。この子と顔を合わせて言葉や拳を交えても、どうにもならないと解っていたから・・・)

やはり彼女に因縁を背負わせるわけにはいかない。そう結論付けられるまで少し間様子を見てきたけれど、もうこれ以上は無意味と判断。一切反撃せず、ヴィヴィオさんの攻撃を防いでは捌き、躱しましたが、ようやくこちらも攻撃に転じようと拳を強く握ったところで・・・

「えいっ!」

「っぐ・・・!?」

ヴィヴィオさんの拳を一瞬、見失ってしまった。私の左わき腹に打ち込まれる鋭い拳打に思わず、「くっ・・・!」後退してしまう。追撃の左拳打を右手の甲で払い、私も反撃の左拳打を繰り出す。

「っと!」

私の拳打を左掌で受け止めようとヴィヴィオさんでしたが、私の拳が彼女の掌に当たるかどうかという刹那に、彼女は左腕を引いた。私の拳は空を切り、腕を伸ばし切ってしまった。

「てやっ!」

ヴィヴィオさんは左腕を引いた勢いのまま反時計回りに回転し、遠心力の乗せられた裏拳を繰り出してきた。私は左腕を顔の横にまで上げ、前腕部でその一撃を防御。そして戻し終えたばかりの右拳を間髪いれずに打ち出す。

「っ!」

その瞬発力で私の拳が届く範囲より離脱したヴィヴィオさんでしたが、また同じ速度で彼女の攻撃範囲に再突入してきた。彼女は小さく構え、左右の連撃を小刻みに繰り出す。ほとんど威力が無いですが、手数と速度が厄介で反撃の機会を潰してくる。

「えいやっ!」

「(ようやく理解できた。これが陛下の言っていた、お楽しみ、ということですか・・・!)くぅ・・・!」

ヴィヴィオさんの速度に慣れたところで、さらに拳打の速度が上がった。これは完全に術中に嵌まってしまったと考えていい。最初は速度を落とし、私がそれに慣れた時、一段階速度を上げて私を翻弄する。

(前言撤回です。真っ直ぐでも、実に巧妙です・・・!)

自宅で器具を使っての練習では得られない経験に、私はダメなのに高揚感を覚えてしまった。だからすぐに自制する。その感情は覚えてはいけないものだと。私はただ、覇王流が
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