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ソードアート・オンライン〜Another story〜
マザーズ・ロザリオ編
第254話 助ける為に
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待ってるんでしょ? その、先生たちにも患者さんが待ってるんでしょ? ……そのひとたちを差し置いて、ボク達が………』
確かに危機は脱したとはいえ、まだまだ自分自身の命が掛かっている。それでも躊躇したのは、当然同じ病気で苦しむ人たちの事だった。順番待ちをしている人だっている筈。先生の帰りを待っている人だっている筈。
それを考えると、自分達だけがこんなに優遇されて良いとは到底思えなかったのだ。
それを訊いた医師たちは、まだまだ幼さが残る少女たちの優しさ、そして強さに驚きながらも微笑みを見せて、翻訳を通じて返事を返した。
『我々を待つ患者は確かに沢山いる。だが、我々は全員を見捨てたりはしない。ジャパンに来て、諸君らを助ける事で遅れてしまう時間があるのであれば、我々の娯楽の時間を、休息の時間を、眠る時間を、全ての時間を必要なだけ削ろう。そうすれば十分に賄える。それに優秀な部下達も控えている。……君たちが心配をする事はない』
勉強熱心で、トップクラスの学力だった2人だが、流石に英語のヒヤリング万能……とまではいかないので、翻訳の人に何度も確認をしながら言葉を理解した2人。当然、そんな無茶な、と慌てていたが それを見越したのか 2人がそれ以上何かを言う前に再び笑顔を見せながら言った。
『他にもワケがある。こちらが本命だ。……我々は寧ろキミたちに感謝をしているとも言えるんだ。ミスター・リュウキへの恩を返す機会を与えてくれた。彼の仕事のおかげで、我々は苦しむ沢山の人達を助ける事が出来た。このメデュキボイドを初め、世界最先端医療機器のシステムの構築。並の技術者ではこれ程までの速度は不可能だと言える。何年もかかる大事業だった。……全て、彼が協力してくれたから。メデュキボイド自体もこんなに早く実用化できる様になる事だって有り得なかった』
ちらりと視線を向けたのは、リュウキの方だ。
今ここの医師達と海外からの医師達とのチームを組んで 今後のスケジュールについての打ち合わせをしている所だった。
彼が中心になっているのが これ程までに自然に見えた。確かリュウキの職業はプログラマー……ではなかったか? とつい疑問に思うラン。
『彼の医療知識は、並の医師を凌駕している。我々も彼に学ぶ事は山ほどある。……そして、彼ほど優しい少年は他にはいない』
ユウキとランの肩に手を置き、微笑みを絶やさずに伝えた。
『負い目を感じる必要は無い。ただただ、彼を誇りに思いなさい。そして、ここから先 キミたちにとって決して楽な道ではない。苦しい道がまだ続くでしょう。……頑張って、病気に打ち勝とうと最後まで頑張る事、それこそ、彼への恩返しにもなる。……それに きっと先に旅立ってしまった彼女達も願ってる筈だ。もっとたくさんの思い出を作ってきて欲
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