0296話『提督と榛名の一緒じゃない生活』
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、あたしも金剛お姉さまと離れ離れになるって言われたら思わず叫んでしまうでしょうけどね。そう思ったら……ヒエー!!」
お姉さま達が騒いでいますけどどうしましょうか。
こういう時に提督だったら優しい言葉でこの場を鎮めてくれるのでしょうけど……。
はっ!? いけません。
いつまでも提督に頼り切りではこれからの深海棲艦との戦いでみなさんの足を引きずってしまいます。
そのために今でもカンを取り戻すために演習で出ずっぱりなんですから。
幸い提督の練度が私の練度と重なっていたので高練度のままで安心しましたけど、演習相手の方々に「なんかいつもより動きにキレがないですね」と言われてしまいまして落ち込んでしまいましたから。
提督はやっぱりすごいです……。
榛名の身体を榛名以上に動かして今まで戦っていたのですから。
私も早く提督に心配されないように落ち着かないと……!
「すみません……すぐにこの状態に慣れますのでそれまでお姉さま達には苦労をおかけします」
「気にしないでイイネ! 妹の事を面倒を見るのは姉の務めデスカラ!」
「姉妹なんですから何も遠慮はすることは無いんですよ榛名」
「そうですよー。それを言ったら比叡なんていっつも金剛お姉さまに苦労を掛けてしまって……」
それでどこか和やかなムードになってそれからはなんとか提督の事を気にしつつも平常心でいられました。
そうですよね。慣れないといけませんよね。
慣れないと……。
そんな感じで提督と榛名はお互いに今の状態に慣れよう慣れようと努めていたんだけど、それも夕食時を過ぎれば我慢の限界に達していた。
提督は本日の任務ややる事も終わらせて細かい後処理などは大淀に任せて自室へと向かっていた。
だけどその心はしずんでいた。
「(ふぅ……榛名がともにいない日常がここまでの疲労を及ぼすなんて考えられなかったな)」
肩を何度か回して改めて疲労が溜まっている事を自覚する提督。
それで自室へと到着して別に誰が中にいるわけでもない自分の部屋なんだからとノックもせずにドアを開けた。
だけどそこには先客がいた。
「あれ? もしかして、榛名か……?」
電気が付いてなかったので誰か分からなかったけど榛名は後姿で提督の布団の上に座っていた。
提督が呼びかけるとビクッと榛名は震えて、
「て、提督……」
その潤んだ瞳を提督に向けてきていた。
その榛名の表情を見て提督は悟った。
榛名は自分以上に心の隙間が大きくなっていたのだと。
「榛名……」
「提督。お願いします……。昼間は榛名も提督とは一緒ではない事に耐えますから夜だけは一緒にお布団で眠っていただけませんか? 提督と一緒じゃない生活がここまで苦しいものだなんて思っていなかったので榛名
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