第三章
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「安い土地見付けて」
「その安い、がね」
「問題だったのね」
「土に水気が多くて雨も多いせいかね」
「草がすぐに生えるのね」
「だからね」
その為にというのだ。
「次から次にだよ」
「虫も多いし」
「ああ、変な虫もね」
庭には付きもののこうした存在もというのだ。
「いるから」
「蚊とか葉を食べる毛虫とか」
「そういうのがいるから」
「そちらにも注意ね」
「うん、あと蜂が来ることもあるから」
賢章は天にこの虫の話もした。
「出て来たら避けてね」
「近寄ったら駄目よね」
「特にスズメバチはね」
「スズメバチも出るの」
「たまにだけれど」
それでもというのだ。
「出るから、気をつけてね」
「スズメバチって凄く狂暴なのよね」
「そうだよ」
その通りだとだ、賢章はまた妻に話した。
「だからね」
「出て来たら避けるのね」
「近くにいないことだよ」
それがベストだというのだ。
「だからいいね」
「ええ、わかったわ」
天も夫の言葉に頷いた、そしてだった。
庭仕事に戻るがこの時虫除けスプレーを身体にかけてから向かった、夫に言われて念の為にだ。
そして夕食の時に彼が作ったカレーを食べながらだ、こんなことを言った。
「いや、お庭の方もね」
「大変だった?」
「かなりね」
少し苦笑いになって話した。
「そうだったわ」
「そうだろうね」
「力も使うし」
それでというのだ。
「大変だったわ」
「それを言うと僕もだよ」
今度は賢章が言ってきた。
「カレー作ったけれど」
「大変だったの」
「そうだったよ、久し振りに作ったけれど」
これがというのだ。
「大変だったよ」
「美味しいわよ」
「その美味しいカレーにするのがね」
どうにもというのだ。
「大変だったよ」
「そうなの?」
「意識して作って」
そしてというのだ。
「大変だったんだよ」
「そうだったの」
「これは大変だよ、けれど決めたから」
それでとだ、賢章は天にこうも言った。
「最後の最後までね」
「この連休の間は」
「それぞれやっていこうね」
「そうね、今の私達の家事をね」
交代したそれをというのだ。
「やっていきましょう」
「それじゃあね」
こう話してだ、そしてだった。
二人で交代した家事をしてだ、そのうえでだった。連休の間はそれぞれの家事をして最後の夕食の時にだ。
天は賢章が作った肉じゃがを食べながらだ、その夫にこう言った。
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