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予感
第四章

[8]前話
「本当によかったわ」
「全くだな」
「九死に一生っていうか」
「そうなっているのかもな」
「そうよね」
「ああ、しかしな」
 ここで彼はそのニュースを自分でも観てほっとなっている私に言ってきた。それもかなり真剣に。
「御前何でそんなに勘がいいんだろうな」
「そのこと?」
「何でなんだ?忍者か剣豪みたいだけれどな」
「実家は神奈川だけれど」
「神奈川って確かな」 
 彼は私の話を聞いて言ってきた。
「忍者いたよな」
「ええと、風魔?」
「北条家に仕えていたな」
 この忍者のことは私も知っている、風魔小太郎だ。あと服部半蔵の半蔵門のことも知っている。
「あの忍者じゃないのか?」
「ご先祖様は」
「そうじゃないか?」
「まさか」
「けれどそんなに勘がいいとな」
 それこそというのだ。
「そうじゃないのか?」
「忍者の末裔かっていうのね」
「ひょっとしたらな」
「まさか」
「いや、実際に調べてみたらどうだ?」
 彼は強い声で言った、そしてだった。 
 実際に実家に帰った時に母に私のご先祖の話を聞いた、そしてその話を聞くと彼もびっくりした。
「本当に忍者の末裔だったんだな」
「ご先祖様は忍者だったらしいのよ」
 しかも風魔だったという。
「北条家にお仕えしていた」
「本当にそうだったんだな」
「そうらしいのよ」
「そのご先祖様の血か」
「どうやら」
「そういうことか、御前忍者だったんだな」
 彼は私の話を聞いてしんみりとした口調で言った。
「そういうことか」
「そうみたい、いやご先祖様の血で勘がいいとかね」
「こうしたこともあるんだな」
「そうね、面白いことに」
「じゃあご前ぞ様に感謝しないとな」
 忍者のご先祖様にとだ、彼は私に笑って話した。私もその話を聞いて笑った。ご先祖様の血に感謝しつつ。


予感   完


               2017・6・24
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