第七十二話 原始人と一緒
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マン中佐。卿の部隊は右側だ」
「はっ」
「ラフト中佐。卿の部隊は正門前だ」
「はっ」
「モルト少将。少将は車止めで挨拶を俺と一緒だ」
「御意」
「レムラー大尉。卿は扉を開ける係だが大丈夫であろうな?」
「はっ、何度も練習いたしました」
「頼んだぞ」
「はっ」
そしてキッカリ1時間後皇帝陛下と皇女殿下の車列が正門前に現れた。
5万人に及ぶ兵達が正門前から、5kmに渡り、2列で両側にズラッと並ぶ光景は黒い壁のようである。
今回はご尊顔を見ても不敬にあたらずと事前に布告されたため、
直接全員がご尊顔を見ることが出来たのである。
皇帝も皇女もその光景を見ながら手を振っている。
並ぶ装甲擲弾兵達は歓声こそ出せないが確りとした敬礼をしながら、
内心では感動を覚えていた。
装甲擲弾兵総監部庁舎前に車列が到着すると、
装甲擲弾兵総監ライムバッハー上級大将と副総監オフレッサー大将と総監部査閲官モルト少将達が整列し皇帝陛下と皇女殿下を出迎えた。
地上車から降りてくる皇帝陛下と皇女殿下を緊張の趣で敬礼し迎える。
ライムバッハー上級大将が緊張した声で挨拶を行う。
「皇帝陛下、皇女殿下におかれまして、この度の御統監、装甲擲弾兵すべからず感嘆の極み」
皇帝は頷き「総監御苦労」と答えた。
皇女はにこやかに「皆の者御苦労さま」と答えた。
居並ぶ装甲擲弾兵達は益々感動に震えていた。
此処まで皇帝陛下や皇女殿下を間近にして、お言葉を賜っているのであるから。
緊張のレムラー大尉が扉を開けて、
皇帝陛下には、ライムバッハー上級大将が、
皇女殿下には、オフレッサー大将が、
それぞれエスコートして応接室へ向かう。
最初は皇女殿下のエスコートについては、
厳つく恐ろしい感じのオフレッサー大将ではなく、
優しい趣のモルト少将と言う話も有ったが、
皇女殿下、ご自身の希望でオフレッサー大将に決まったのである。
オフレッサーはその話を聞くと、自分の厳つさは女子供を泣かすことが多い為、
皇女殿下が泣いてしまうのではと内心心配しながら、お迎えしたのである。
所が、お迎えしエスコートするオフレッサーが挨拶をすると意外な答えが返ってきた。
「皇女殿下におかれましてはご機嫌麗しく、
不肖オフレッサー、皇女殿下のご案内を賜り誠に祝着至極でございます」
「オフレッサー、会いたかったぞ。卿の働きはよう聞いておる。
その頬の傷も歴戦の証じゃ、誠に頼もしく思うぞ。今日の案内楽しみじゃ」
オフレッサーにとって頬の傷は叛徒との戦いで受けた傷である、
敢えて完治させずに歴戦の強者として傷を残したのであるが、
皇帝陛下と皇女殿下にお見せするのが、憚れるのではと考えていたのであるが、
皇女のこの言葉で安堵の気持ちに
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