第四十七話
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けた。
唯一無二の男艦娘。
親父が元提督とか、お袋が元艦娘ってことを除いても、俺はみんなが言うところの、『特別』な存在だ。
でも、春雨は違う。
木曾や冬華たちと同じように艦娘でありながら、人ではない、『始祖』という存在。
同じだけど、違う。俺とは、向けられている視線が違う。
そんな春雨に、俺は気にしてないと言った。
…………そりゃあ、泣くよなぁ。
となると…………。
「…………この戦いを終わらせる、か。」
我ながら、とんでもない台詞を吐いた。
「……………………は?」
キョトンとする木曾。
「この戦いを終わらせたらさ、俺たちは日常生活に戻れるし、春雨は…………わかんねぇけどさ。そこは親父や提督の力を使って、春雨も学校にも行けるだろう。」
万事解決じゃね?と、俺は締めくくった。
「いや、そこじゃねぇ。俺が驚いてんのはそこじゃねぇ。」
木曾は首を横に降りながら、あり得ねぇとでも云いたげな顔をしていた。
「お前………………どうやって終わらせる気だよ。」
深海棲艦との戦い。
それは、今から二十年以上前に始まった。
以来、奴らの勢いを止めることはできても、征服することは一回もできていない。
倒しても倒しても、いくらでも沸いてくる敵。
いつしか世界中の人々は『勝てない』、『終わらない』と思うようになったこの深海棲艦との戦い。
それを終らせる方法?
俺はフッと鼻で笑ったあと、木曾の顔を真っ直ぐ見て言った。
「知るかよ。」
―医務室―
「……………………えっと、今回も木曾?」
明石さんは、ベッドの上に寝転んでいる俺と、横の椅子に座っている木曾を交互に見てそう言った。
「おう、俺がぶん殴った。今回に限ってはオレは絶対に謝らねぇ。」
「…………おう。今回に限っては俺が悪かった。」
あの後、木曾の右ストレートが俺の顔面に炸裂。久しぶりに医務室へ運ばれることになった。
明石さんは、「そ、そう……。」と言うと、何処かへ行ってしまった。
「お前さぁ!バカじゃねぇのか!?あんだけかっこつけといて、知るかよだぁ?ふざけんな!」
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