アージェント 〜時の凍りし世界〜
第三章 《氷獄に彷徨う咎人》
白き地獄の底で@
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は彼女だけである。そして、自身も兄を持つ妹であるからこそ、氷雪から伝え聞いた兄の姿と、目の前の人物が同じだとは思えなかったのだ。だから、どこかで無理をしているのでは無いか、そんな風に考えたのだ。
『あなたは……本当は、戦いたくなんてないんじゃないですか?』
なのはのその一言に、暁人は一瞬だけ目を閉じ、何かに逡巡するそぶりを見せた。そして……
「……そうだな。戦わずに済むのなら、それに越した事は無い。」
その発言に、アースラがざわめいた。
『だったら……』
「だが、」
しかし、暁人の言葉は続いていた。
「戦う事が氷雪を救い、氷雪を守る為の最善かつ最短の道である以上、それを躊躇うつもりは無い。」
一切の余地を残さず、暁人は言い切った。誰もが悟った。説得など無駄だ。彼とは、戦うしか無いのだ、と。
「最早、言葉は不要か………」
そんな呟きを最後に、暁人は映像に背を向けた。
『この……分からず屋ーーー!!』
背後から聞こえるそんな声を無視して、暁人は今度こそ進軍の指示を下すのであった。
空は、徐々に荒れ始めていた。
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