暁 〜小説投稿サイト〜
ソードアート・オンライン〜Another story〜
マザーズ・ロザリオ編
第253話 運命
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もう、この世界の何処にもいないのだから。

「………いや 止そう。きっと、これは彼女もきっと望んでいた光景だよ。紺野くんたちの笑顔と、……彼の事を忘れてしまっていても、それでも 想っていたリュウキくんの笑顔。皆が笑顔なんだから」

 ユウキ、ラン、リュウキ、……そして アスナやレイナ。全員が例外なく笑顔だった。
 倉橋は いつもこの場所で、3人 楽しそうに話しをしていたあの頃を思い出せる程に笑顔だった。

 彼女がいなくなり、間違いなく笑顔が減って…… その影響が身体にも……と正直心配をしていたのだが、それをかき消してくれる程 2人は笑顔だったから。


























 そして、場面は再びリュウキ達の元へ。

「凄い……よね。姉ちゃん程じゃなかったけど、ボクも確かに予感したよ。リュウキとサニーの事。あっ アスナとレイナもサニーの事知ってるの?」

 ユウキは、アスナとレイナの方を向いた。知らなかったら 話についてこれないと思ったからだ。折角ここまで探してくれて、再会して涙まで流してくれたのに、置いてけぼりは非常に申し訳ないと思ったから。でも、ユウキの心配は杞憂だった。

「うん。……リュウキ君から話は聞いてるよ」
「私もレイと同じ。……話してくれた」

 意図して2人は、少しだけ言葉を飲み込みつつ答えた。
 リュウキから聞いたサニーの話。ユウキ達との思い出とはまるで違う内容だと思ったから。
 それは、リュウキが大切な人を守れなかったと涙を流し、深い傷を心に作った事件。

 その内容をユウキやランが知る必要などない。……ユウキ達が自分達の事は知らない方が良い、と言った様に 知らない方が良いと言う事はこの世にはあると言う事はよく知っているから。
 だけど、もし―― 今日の自分達の様に 知らない方が良いと言われても 振り切ってここまで来た様に、ユウキやランが知りたいと言った時は、全てリュウキに任せようとアスナは思っていた。勿論、レイナも同じ気持ちだった。

「……そっか。サニーはね。ボク達にとっての光だったよ。暗い場所にいても、苦しくて泣いちゃいそうな時も『ほら、こっち。こっちだよー』って、直ぐに導いてくれるみたいにさ」

 目元をぐいっ ともう一度拭った後、ユウキはそう答え、ランが続いた。

「……そう、です。私達が、眠っているだけだったかもしれない私達が、スリーピング・ナイツになれたのはサニーがいてくれたおかげです。……でも、彼女は」

 ランはゆっくりと俯いた。
 それを見たリュウキは、そっとランの肩に手を置いた。

「きっと、笑ってないと サニーだって悲しいって思う。………近頃は、つい最近の様に思い出せる。
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