暁 〜小説投稿サイト〜
ソードアート・オンライン〜Another story〜
マザーズ・ロザリオ編
第253話 運命
[5/12]

[8]前話 [1] [9] 最後 最初 [2]次話
たからどちらがアスナ、どちらがレイナなのか判らないだろうと思えるから、其々が自己紹介をしていた。 双子だと言われても不思議じゃない程似通っている姉妹だから。

「僕は倉橋といいます。竜崎さ……、隼人君から君たちの事はよく聞かされていますよ」
「えっ? リュウっ……隼人くんが私達の事を??」

 なんで 倉橋医師に自分達の話をするのか? と疑問に思ってしまうのは当然だろう。今日、この病院に来たのは初めてだし、勿論倉橋とも初めて出会う。簡単に言えば接点が無いのだから 伝える必要性が全くないからだ。

「あ、あの…… 倉橋先生…… そ、その……」
「あ……そうでしたね。でも ここまで言ってしまったので」

 リュウキは恥ずかしそうに制止をする様に両手を出していたが、最早ここまで言ってしまったら 逆に言わない方が不自然だ。


――ごめんねー?


 と言いながら舌でもぺろっ と出しそうな表情をさせた倉橋。何だか歳(正確には知らないが)の割に子供っぽい一面を見た気がした。

「ふふふ。申し訳ない。隼人君からは、あなた方以外の人達のお話も聞いていますよ。昨今のフルダイブ環境下において、人体に対する悪影響。健康被害報告も多数出ている事実もあります。全国、全世界規模でね。その現状で、色々と相談を少々受けたりしていました。その過程であなた方のお話を訊いたんです。……隼人くんは いつも皆の事を気にかけてくれていた、と言う事ですよ」
「っ……」

 ある程度覚悟の様なものを決めていた隼人だったが、やはりここまではっきりと言われてしまえば、気恥ずかしくなってしまう。健康被害に関しては 世間ではまだ伏せられている面も合わせると、かなり多く上がっている。
 果ては VRMMOに熱中し過ぎて飲食を忘れて没頭、最後は栄養失調に陥り死に至るケースだってある。

 そんな事にはならない……と言うのは判りきってはいるのだが、約一名、不安を覚える者がいるから少々気に掛けたりもしていたのも事実。

 いやはや 本当に福利厚生が非常に行き届いた会社に努めている様な感覚になるのは別に不思議じゃないだろう。それも働いている訳でもないのに。

「い、いやさ 仕事の合間の世間話と言うか…… ほら、基本 病院でのシステム関係で、中でもシステムメンテナンス、経営管理のパッケージシステムとかが主だけど……、自然と病院だからさ、話題がそっち系になって……。それで簡単なアドバイスとか そう言うのを訊いてただけ……だから。別に変な事を言ったりはしてないし……」

 弁解する様にリュウキはそう言う。何だかそれを訊いていて、リュウキの姿を見ていて、まるで悪い事をしてしまった子供の様に思えてしまうのだが、よく考え……なくても はっきりしてる事がある。

 悪い事
[8]前話 [1] [9] 最後 最初 [2]次話


※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりをはさむしおりを挿む
しおりを解除しおりを解除

[7]小説案内ページ

[0]目次に戻る

TOPに戻る


暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ

2024 肥前のポチ