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ソードアート・オンライン〜Another story〜
マザーズ・ロザリオ編
第253話 運命
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ここは横浜港北総合病院。
この場所に2人がいる。ユウキやランの2人が。
キリトも直ぐに判った様に リュウキ自身もこの場所にたどり着くのは難しい事ではなかった。
その鍵は メデュキボイドであった。そして ユウキやランのVR世界での常識離れした実力にもあった。
キリトやアスナ、レイナ、リュウキ 世に言うSAO
生還者
(
サバイバー
)
と呼ばれるプレイヤー達。否 VR世界の剣士とも言える者達。
SAO世界に囚われていたあの2年間があったからこそ、ALOの世界ででも、果てはGGOの世界ででも一線を超える力を持っていたんだ。
ユウキやランの力。
あの2人の力も一線を遥かに超えていた。皆と遜色ないレベル……と言うより、それをも超える勢いの実力を兼ね備えている。VRの世界ででの慣れと言うのは、通常のMMOとは訳が違う。如何にセンスがあり、知識があったとしても 己の脳で
身体
(
アバター
)
を動かす以上 これ程まで経験がものを言うジャンルは他にない。
だが、それでも――2人は、いや スリーピングナイツの全員は超えてきている。
VR世界の申し子。
キリトがユウキに対して抱いたイメージ、それは間違えていなかった。
昼夜問わず 仮想世界で過ごしてきた時間が単純に長い。それを可能にするのはナーヴギア無き今は1つしかなかった。
それこそが、メデュキボイドと呼ばれるもの。
そして これはリュウキとレイナ、そしてアスナがユウキとランの2人と再会する数十分前の事。
〜横浜港北総合病院〜
3人は 綺麗に磨かれたガラスの二重自動ドアをくぐり、たっぷりと採光されたエントランスに踏み込んだ。そこに広がっているのは 何処か懐かしさも漂っていた。そう、この場所は恐らくは誰しもが必ず一度は訪れているだろう。
消毒液が微かに漂っているこの匂い……病院と言う場所。
先頭にいるリュウキは慣れた様子で 周囲を確認しつつ、面会受付カウンターの方へと足を運んでいた。
「……リュウキ君。ここに来た事あるの?」
この病院は非常に大きい。エントランスだけでも相当な広さだ。表示があるとは言え淀みない動きで進むリュウキを見てレイナはそう思った様だ。
「ああ。仕事関係で少しだけ……な。だから、判るよ。……2人がいる場所も間違いない」
「ほんとっ! ユウキやランが…… ここに? 絶対ここに?」
アスナは気持ちを抑えきれない、と言った様子を見せながらレイナと共にリュウキに駆け寄った。
「……アスナ?」
リュウキは小さく首を振って人差し指を口許に付けた。
アスナの声が少々大きい事に注意を促したのだ。ここは病院。
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