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最低で最高なクズ
ウィザード・トーナメント編 前編
「11」 その4
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わったら次はさっきの女だなハッハッハ!」


足音が聞こえる。
音の間隔からして走って来ている。
そう、俺はここで殺されるんだ。
まだ名前も知らないシリアルキラーに。
足音が手前まで迫って来た。
もう恐怖があっても体が動かせない。
俺は目を閉じた。





























まだ俺は意識がある。
体は死にかけだが、意識は残っている。
一体、いつまで焦らすつもりなのか。
そう思った。
だってあとは殺されるだけだ。
だが、聞こえたのはある声だ。


「チッ!...誰だてめぇは!」


俺はその発言から違和感を持ち瞼を開く。
そこにいたのはシルバー・スティングだった。
そう彼は間に合った。


「誠くん、遅れてすまない。助けに来たよ。」


俺は時計を見た。
相手に出会って今に至るまで、経過した時間は14:57。
この男は有言実行したに過ぎないと考えている。
だが、大爆発による混乱の鎮静からここに帰還するまでで15分経っていないというのは異常だ。




10秒ほど前のことだ。
ジャックは俺にトドメをしようとナイフを振りかざす直前まで来ていた。
その時だ。
不意に塞がれなかった1本の道から何者かが全力で走ってやって来る。
それは瞬時に敵を捉えると容赦なく拳を振るった。
ジャックは奇跡的にそれに反応。
間一髪でガードに成功するが、それでも走って来た分の勢いを受け止めきれず吹き飛ばされた。
体は壁に激突しバウンド。
何とか対戦を立て直し、ジャックは距離を取った。


「チッ!...誰だてめぇは!」


そして今に至る。
ジャックは再び霧の中に隠れてしまった。


「シルバ!相手は対人戦のプロだ、気を付けろ!」

「分かってる。」


霧の中から現れた一撃をシルバは脇に挟んで固める。
すかさず敵は次の一撃を食らわせようとするが、シルバはそれよりも先に相手の顔面を掴んで、そのまま勢い良く地面に叩き付ける。


(コイツ、格闘技か護身術でも身に付けてんのか?)


シルバは離れて距離を取る。
再び霧の中から攻撃がやって来る。
普通なら捌けない連続突きをシルバはいとも簡単に捌ききって行く。
ここまでシルバは一切魔法を使っていなかった。
だが、それが仇となり敵はシルバの足を切った。


(コイツ、ドサクサに紛れて僕の足を狙っていたのか。)

「はぁ....はぁ...これでお前は俺を追ってこれないな。」


ジャックはギロリと俺に視線を向けるが、その目には既にさっきの殺意は一切、見られなかった。


「今回はここまでにしといてやる
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