暁 〜小説投稿サイト〜
碧い銀河
銀河帝国、ホルスト・ジンツァー大佐
プロローグ

[2]次話
 深い眠りより、ふと目覚めた。

 眼を開けると、銀色の天井。
 真珠の様に儚い、じゃなくて。
 淡い色の照明、光が部屋を満たしている。

 周囲を、見廻す。
 継ぎ目の見当たらない、滑らかな銀色の壁。
 妙に、見覚えのある光景だ。

 ここは、何処?
 陳腐な疑問だけど、しょうがないよね。
 誰だって、そう思うだろ?


 身体の奥深い部分から、返事が届いた。
 僕の宿る身体の本名は、ホルスト・ジンツァー。
 直属の上司は、ジークフリード・キルヒアイス。

 もし、これが、夢でないのなら。
 やる事は、決まってる。
 ホルスト・ジンツァーの敬愛する上官、ジークフリード・キルヒアイスは。
 ラインハルトとの間に生じた溝が原因で、生命を落とす。

 突拍子もない話でも、誠実に聞いてくれそうな人物に打ち明けた。
 僕の知る限り、総ての出来事を。

「君が時折、場の雰囲気を和ませる為に軽口を叩く事は承知している。
 法螺話を真に受けているとも思えないが、妙な噂が流れるかもしれないな。
 堅実で信頼の置ける君の異動は避けたい、他の者には話さない方が良いだろう」

 まあ、当然の返事だよね。
 宇宙暦797年/帝国暦488年、イゼルローン要塞の捕虜交換式に出席する直前。
 僕の上司は、ある事を命じた。 
[2]次話


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