8話→山田太郎の日常A
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千冬をリビングまで運んだ後、一夏がアイロンがけしていた白ワイシャツにズボンを渡す。
このパリッとした仕上がり、すそのアイロンがけは正に巧みの技。
感心しながら着替えている千冬を眺めていると、キッチンから声がかかる。
「朝飯出来たよ〜」
配膳を手伝い、二人分のご飯を並べた後、料理を教えている手前、一口づつだけ味見する、ふむ、家庭料理としては十分だ。
掃除の腕前?千冬が掃除するわけないだろ(真顔)で、この家別に汚くないです。
小学生でこの料理の腕前、洗濯も掃除も完璧だと……
一夏、凄くない?ナニコレ、スーパー小学生?
着替え終わった千冬に声をかける。
「相変わらず優秀な弟だな。後、暑いのは分かるが、シャツと下一枚は脱ぎすぎだ。年頃の女としてどうなんだよ?」
流石に二人きりで住んでいるとしても、どうなのかと突っ込むと
「安心しろ、お前達にしか見せん」
服を着終えた千冬から、短く答えが返ってきた。
いや、そういう問題か?という気がするが、キッチンから戻ってきた一夏は気にして無さそうだ。
俺がおかしいのか(混乱)
まあ、この家が不思議なのは今に始まったことじゃない。
まず、俺は二人の両親、もしくはそれ関係の保護者にあったことがない。
そう、理由は分からないが
この家に住んでいるのは、一夏と千冬だけである。
え、なんで?と、素直に思うが、一度中学の時に尋ねたら、無言の腹パンをくらったので、特に詳しくは聞いていない。
二人きりで生活して貰った方が、千冬との爛れた関係的に都合も良いし。
一夏君?何故か良いタイミングで外に遊びにいってくれるんだ。流石俺の義弟!
二人のご飯を眺めながらコーヒーを自分で淹れて飲んでいると、一夏が学校の事を俺に話してくる。
「それでさー、最近は弾っていう友達ができてさー。」
「確か五反田、弾君だったっけ?」
「ああ、気が合うんだ。兄ちゃんも居るんだろ。」
「ああ、色んなダチがいるが、最近だと、ジンって奴と仲が良いな。」
神玄徒(ジンクロト)という、顔良し、天才肌、三次元の女に興味がない(重要)、という、3拍子揃った男が最近だとよくつるむ男である。まあ、その男についてはおいおい話そう。
一夏が俺と話しているのを尻目に、綺麗な所作で千冬がご飯を空にしていく。
おかしい、あのスリムなお腹に到底入らない量が入っていってる。
俺がおかしいのか(戦慄)
何時もの不思議な朝食をとると、早めに家を出る。
一夏君を小学校に送りがてら、三変人(自称)の最後の一人たる束を拾いにいくためだ。
何時もの神社前に行くと、気づいた束が今日も元気に両手を振る。
高校生でその動きはどう
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