case.0「黒の教育委員会」
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いじめ。
肉体的、精神的、立場的に強い者が弱い者を暴力や差別等で一方的に苦しめる行為。
この現象は年々増加の一方であり、2025年いじめによる10代の自殺者は1000万人を超えた。
政府と教育委員会はこれ以上自殺者を増やさないために密かにある組織を立ち上げた。
その組織のおかげで翌年の自殺者数は三分の一を減る結果を出した。
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2027年5月、東京都ニューアダチタウン。
この町に新たな雑誌出版社が開設された。
そこで1人のある青年が働いていた。
「さあ、今日も張り切って働きますか!良い記事書いて出世出世っと。」
「おーい雨宮!編集長が呼んでるぞ〜。」
「はーい。今行きまーす。」
この小さな町に建つ出版社「香蘭出版」で働く青年『雨宮 智』。
全ては、この仕事から始まった。
雨宮「……桐生編集長、何でしょうか?」
「あぁ雨宮か、ちょっとすごいネタがあるんだが興味あるかい?」
雨宮の上司『桐生 学雄』
雑誌出版の筋30年のベテランである。
色々と謎が多い男。
雨宮「すごいネタ……ですか?」
桐生「うん、とびっきりのな。雨宮、『黒の教育委員会』は知ってるな。」
雨宮「はい、確か2025年に政府と教育委員会が設立した組織……ですね。増え続ける児童の自殺者を無くすための……」
桐生「そうだ、その結果2年後は例年の三分の一の自殺者が減少した……まあ、知ってるわな。」
雨宮「はい……それで、その黒の教育委員会で何かあるんですか?」
桐生「あぁ、お前にはその黒の教育委員会に取材をしてきて欲しい。」
雨宮「え!?取材ですか??」
桐生「そうだ、取材だ。」
雨宮は驚く。
雨宮「編集長……黒の教育委員会の所在は政府のトップシークレットでしょう……
これまで正規非正規問わず、あらゆる出版社が取材に応じたが、所在地はおろか返答も無しの組織ですよ?政府に問い合わせても返答も無し、あの文春の取材班ですら所在地が割り出せなかった完全なブラックボックスみたいな組織ですよ?」
桐生「あぁ知ってるとも、だが私はその組織の場所を知っている。まぁ、知ったのはつい最近だがな…」
雨宮「本当ですか??」
桐生「嘘をついてるように見えるか?この状況で冗談は言わんよ。」
雨宮「本当だとしたら、すごい事ですよ。」
桐生「そうだ、すごい事だ。真相を確かめるべく、雨宮君に取材をお願いしたい。」
雨宮「勿論です。」
桐生「正直、この案件は雨宮君にしかできん。元『人理出版』に勤めていた君にしかできん事だ。
雨宮君も、あの組織を追ってたんだろ?
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