番外編 逸見エリカ
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後に見たプラウダ高校の誇り高い隊長の姿はなかった。まるで子供……いや赤ん坊だった。いったいカチューシャに何が起きたのかと私はノンナに詰め寄って聞いた。
『カチューシャは、西住みほがあの大会の時に事故死した事に心を痛めていました。しかし、弱みを見せずに常に強気の姿勢を見せてプラウダ高校の隊長としての責務を続けました。ですが常に心もとないヤジと隊員達のカチューシャに対する批判は収まらず、第六十三回戦車道全国高校生大会で優勝を逃したカチューシャの批判は更に高まり、遂にカチューシャの心は限界が来てカチューシャの心は崩壊してしまいました。』
普段は高校時代のあだ名通りにブリザードのノンナの異名と同じように表情を崩さないノンナが涙を流して私に言った。今のカチューシャは自分が最も幸せな時代だった時の子供時代の記憶まで退行している。それで当時のノンナはカチューシャの幼児退行にショックを受けて一時はカチューシャの面倒を見る為に戦車道を引退しようと考えたらしいが、それをカチューシャの親から止められた。カチューシャの親から自分の面倒を見る為に戦車道を辞めたら記憶が戻った時にカチューシャが悲しむから、カチューシャが一番好きなノンナの姿のままでいて欲しいと言われてノンナは戦車道を再開した。
『カチューシャ。今日から長い休みが取れました。しばらく貴女と一緒に居れますよ』
『あう〜♪』
『嬉しいんですか。私も嬉しいですよカチューシャ』
『あ〜♪』
ノンナはカチューシャが幼児退行してしまった事は今でも割り切れていないだろう。だけど、そんな悲しみを見せずにノンナはカチューシャと接していた。
カチューシャは今も親戚の北海道にある別荘でひっそりと療養しながら暮らしている。それでも一向に記憶が戻る気配も治る傾向がない。この前もノンナと一緒にカチューシャを訪ねたが、幼児から小学校低学年位にまで回復していたが完全回復までいっていない。
あのカチューシャの姿を見てから私はノンナとの距離はある程度縮まったと思っている。それでもやはりお互いの譲れない部分がどうしても強く、私にとってはみほ。ノンナにとってはカチューシャ。その部分はどうしてもお互いも譲れなかった。確かにカチューシャに経験した苦しみと悲しみは同情するが、それでもやはり怒りを露わにするほど憎しみはもう抱いていないが、それでもみほを殺したきっかけを作った相手という事でほんの僅かだが私はカチューシャを許す事が出来ない。自分でも器が小さいと自覚している。私は非常に我儘な性格である。私とノンナの関係は、戦車道の実力は認めるてある程度は心を許すが、しかし自分達にとって大切な人間を奪った絶対に許す事は出来ない憎い相手。
自分でも自覚する程に曖昧な関係でハッキリとしないが、私とノンナの関係はこれで良
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