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ドリトル先生と奈良の三山
第三幕その七

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「ちゃんと政治をしていてね」
「国も乱れなくて」
「民の人達も疲弊しなかった」
「極端にはだね」
「それに大仏さんが国を護ってくれたのかな」
「そうなるのかな」
「そうかも知れないね、そう思うと」
 先生は大仏さんを見上げながら皆にお話しました。
「この大仏さんは日本を護ってくれてね」
「今もだね」
「日本を護っているんだね」
「そうなんだね」
「そうだと思うよ、ただ大きいだけじゃないんだ」
 日本を実際に護ってもいるというのです。
「凄い仏像さんだよ」
「そうだね」
「ただこの仏像って一三〇〇年前のものじゃないんだよね」
「三代目だよね」
「確かそうよね」
「うん、三代目だよ」
 実際にとです、先生は皆の質問に答えました。
「この大仏さんはね」
「やっぱりそうなのね」
「三代目なのね」
「初代も二代目も燃えて」
「それでなのね」
「そうだよ、初代は源平の争いの時に燃えたんだ」
 その聖武帝のご命令で造られた一三〇〇年前の大仏さんはというのです。
「その時東大寺には僧兵さん達がいてね」
「ああ、武器を持ったお坊さん達ね」
「日本にもいたんだね」
「聖堂騎士団みたいな感じで」
「それでいたんだよね」
「お寺やお寺が持っている荘園とそこにいる人達を守る為にね」
 先生は僧兵さん達のこともお話しました。
「それでいてね」
「その僧兵さん達がなんだ」
「平家の人達と対立したんだっけ」
「そうだった?」
「確かね」
「そうなんだ、それでね」
 対立してというのです。
「清盛さんも軍勢を送ってね」
「平家の主の人だよね」
「私も知ってるわよ」
「物凄い権勢を誇ってて」
「強かったんだよね」
「その清盛さんが兵を送って東大寺で戦になって」 
 平家の軍勢と東大寺の宗平さん達がです。
「それでなんだ」
「その中でなんだ」
「東大寺が焼かれて」
「大仏さんも焼けたのね」
「そうなったのね」
「この時は大騒ぎになってね」
 まさに日本中がひっくり返る位のです。
「清盛さんは物凄く批判されたんだ」
「日本を護ってくれる大仏さんなのに」
「燃やしてしまったから」
「それでなんだ」
「日本中が清盛さんに怒った」
「そうなったんだ」
「そう、それで戦乱の後でまた造られたんだ」
 源平の戦が完全に終わってからというのです。
「鎌倉時代のはじまりにね」
「それが二代目で」
「またこの東大寺に造られて」
「それでなんだ」
「二代目の大仏さんもだね」
「やっぱり」
「今度は戦国時代にね」
 その時にというのです。
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