第一話
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第一話 吸血鬼のこと
華奈子達クラウンの面々は何かが変わったと気付いていた、しかしその何かが具体的にどういったものかまではわからなかった。
それで華奈子は家で自身の双子の姉妹であり同じクラウンのメンバーである美奈子にこんなことを言っていた。
「ねえ、先生達の様子がね」
「最近おかしいっていうのね」
「そんな気するでしょ」
「ええ、何かね」
美奈子も感じていてこう答えた。
「思うわ」
「そうよね、何なのかしらね」
「まるで備えて警戒しているみたいな」
「そんな感じでしょ」
「何かあるのは間違いないけれど」
美奈子は首を傾げさせつつ華奈子に話した。
「それでもね」
「何かがあるのは間違いないわ」
「そうね、本当に」
「そして今田先生も今日子先生もね」
二人共というのだ。
「私達にお話されないでしょうね」
「そんなお話じゃないのね」
「多分先生達の問題でね」
「そして私達に関わる様なお話じゃない」
「そうよね、博士みたいな滅茶苦茶だけれど実は私達に危害を加えるつもりは全くない人でもないわね」
そして誤って危害を加えてしまう様な失態も犯さない、この辺り天本破天荒博士は実にしっかりとしているのだ。
「多分」
「そうね、博士相手は実は危険じゃなかったけれど」
「先生達の場合は違う」
「そうした雰囲気ね」
「凄く気になるけれど」
「先生達にお聞きしてもお話してくれないわ」
絶対にとだ、美奈子は断言した。
「だからね」
「このことはね」
「あえてね」
気付いていてもというのだ。
「知らない振りをしておきましょう」
「大人の対応?それって」
「そうかも知れないわね」
美奈子は少し怪訝な顔になって聞いてきた華奈子にこう返した。
「これも」
「そうなのね、じゃあ他の皆ともね」
「そうしていきましょう」
彼女達に話もしてというのだ。
「その方がいいみたいだし」
「聞いてもお話してくれないなら仕方ないし」
「だからね」
それでというのだ、こう話してだった。華奈子も美奈子はクラウンの他のメンバーとも話して先生達にはあえて聞かないことにしたのだった。
第一話 完
2017・12・6
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