第七章 C.D.の計略
怒りの鞭
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負けることはほぼない。
現にだんだんと空間を飛び交う鞭の数は減っていき、腕でカードしていたブレイドも手の平で弾く程度にまで威力が落ちていく。
「なあ、そろそろわかってるだろ?このままじゃ君の負けだ」
「くっ、うるさい!!」
「オレ達も君に話さなきゃいけないことがあるんだ。だからさ」
「いまさら・・・何を話すっていうの!!!」
ギュチッ!!
「じいちゃんが死んでもう何年になる?その間。あんたたちはのうのうと世界を守ってた!一緒に戦っていたじいちゃんのことを、まるでなかったかのように!!一緒に戦ったじいちゃんのこと、何も言いに来なかったじゃない!!それは後ろめたいことがあるから!違う!?」
そこまで叫び、クイーンが鞭を引いた。
あれほどの空間を覆うだけの長さの鞭が、ミチミチと音を立てて収束されて彼女の手元に。
その構えは、まるで剣術の突き――――
「聞いてくれ!天王路さん」
「ん?」
「オレ達が君のおじいさんについて話さなきゃいけないことがある!!」
「橘さん!」
「剣崎、ここは俺に任せろ」
「・・・わかりました」
叫びながら、ブレイドとクイーンの間に入っていくギャレン。
敵意はないと示すためか、変身を解除しながらまっすぐに彼女と向かい合う。
レンゲルは暴れるアンデッドを再びカードに戻しながら思った。
――――あの人なら論理的にうまく説明するんだろう。感情的にキレられそうだけど
カリスは変身を解きながら思った。
――――言ってわからないようならその時は気絶でもさせるか・・・・
ブレイドは説明を任せて橘の背を見ていた。
――――説明できれば大丈夫だけど・・・・・嫌な予感がする
そんな各々の思いがそれぞれの中で一瞬で頭の中に浮かんだ後、橘朔也が説明のために第一声を放った。
「天王路さん!オレ達は確かに君のおじいさんを倒した!!」
「・・・は!?」
カリスは思った。
確かに、オレ達が倒した敵だ。
ブレイドも思った。
まあ、間違っちゃないな。
だがレンゲルだけは気づいた。
あれ、あの人たしか天王路の事・・・・
「一緒に戦った仲間を、倒したですって!?」
「あ」
「やば」
「マズいぞ」
「shit!」
「あんたたちは、一緒に戦った仲間のじいちゃんを、見殺しにしたどころか・・・・・」
「あのだな、これは」
「殺したっていうの!?」
激昂するクイーン。
完全に説明の手順を間違えた。
とはいえ、彼らにとって天王路はあらゆる戦いの苦しみ、悲しみの元凶だ。
「ア
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