暁 〜小説投稿サイト〜
世界をめぐる、銀白の翼
第七章 C.D.の計略
怒りの鞭
[3/5]

[8]前話 [1] [9] 最後 最初 [2]次話
負けることはほぼない。




現にだんだんと空間を飛び交う鞭の数は減っていき、腕でカードしていたブレイドも手の平で弾く程度にまで威力が落ちていく。


「なあ、そろそろわかってるだろ?このままじゃ君の負けだ」

「くっ、うるさい!!」

「オレ達も君に話さなきゃいけないことがあるんだ。だからさ」

「いまさら・・・何を話すっていうの!!!」

ギュチッ!!

「じいちゃんが死んでもう何年になる?その間。あんたたちはのうのうと世界を守ってた!一緒に戦っていたじいちゃんのことを、まるでなかったかのように!!一緒に戦ったじいちゃんのこと、何も言いに来なかったじゃない!!それは後ろめたいことがあるから!違う!?」



そこまで叫び、クイーンが鞭を引いた。

あれほどの空間を覆うだけの長さの鞭が、ミチミチと音を立てて収束されて彼女の手元に。
その構えは、まるで剣術の突き――――


「聞いてくれ!天王路さん」

「ん?」

「オレ達が君のおじいさんについて話さなきゃいけないことがある!!」


「橘さん!」

「剣崎、ここは俺に任せろ」

「・・・わかりました」


叫びながら、ブレイドとクイーンの間に入っていくギャレン。
敵意はないと示すためか、変身を解除しながらまっすぐに彼女と向かい合う。



レンゲルは暴れるアンデッドを再びカードに戻しながら思った。
――――あの人なら論理的にうまく説明するんだろう。感情的にキレられそうだけど


カリスは変身を解きながら思った。
――――言ってわからないようならその時は気絶でもさせるか・・・・


ブレイドは説明を任せて橘の背を見ていた。
――――説明できれば大丈夫だけど・・・・・嫌な予感がする



そんな各々の思いがそれぞれの中で一瞬で頭の中に浮かんだ後、橘朔也が説明のために第一声を放った。



「天王路さん!オレ達は確かに君のおじいさんを倒した!!」

「・・・は!?」


カリスは思った。
確かに、オレ達が倒した敵だ。

ブレイドも思った。
まあ、間違っちゃないな。

だがレンゲルだけは気づいた。
あれ、あの人たしか天王路の事・・・・


「一緒に戦った仲間を、倒したですって!?」

「あ」

「やば」

「マズいぞ」

「shit!」


「あんたたちは、一緒に戦った仲間のじいちゃんを、見殺しにしたどころか・・・・・」

「あのだな、これは」

「殺したっていうの!?」



激昂するクイーン。


完全に説明の手順を間違えた。
とはいえ、彼らにとって天王路はあらゆる戦いの苦しみ、悲しみの元凶だ。

「ア
[8]前話 [1] [9] 最後 最初 [2]次話


※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりをはさむしおりを挿む
しおりを解除しおりを解除

[7]小説案内ページ

[0]目次に戻る

TOPに戻る


暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ

2025 肥前のポチ