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夫婦のバレンタイン
第三章

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「食べ過ぎには注意しなさいよ」
「彰君が」
「そう、食べ過ぎたら太るし」
 まずはこのことを言うのだった。
「それに虫歯にもなるでしょ」
「その二つは注意ね」
「さもないとね」
 それこそというのだ。
「後が大変でしょ」
「そうね、甘いものだからね」
 チョコのカカオ自体は甘くはないが中に甘味を大量に入れるので甘い、そして甘さの要素である糖分が問題なのだ。
「彰君も今も毎日水泳しててもね」
「それでもなのね」
 夫はスポーツ好きで今も会社の近くのプールで会社帰りにそうして健康管理と趣味の満喫を行っているのだ。
「あまり過ぎたらね」
「太るし」
「虫歯にもなるから」
「あと鼻血ね」
 みのりはチョコを食べ過ぎてのぼせる場合を思い出した。
「それもあるわね」
「ああ、それもあったわね」
「そうしたことには注意ね」
「まあ太っても身体動かせばいいけれどね」
「それはいいのね」
「問題は虫歯よ」
 一番はこれだというのだ。
「これよ」
「つまり食べた後は」
「いいわね、彼もね」
「ちゃんと歯を磨いてもらう」
「そこはちゃんと言ってね」
「ええ、虫歯はね。私はいつも早く治療していて知らないけれど」
 話を聞いて知っていた、このことは。
「痛いのよね」
「みたいね、お祖母ちゃんが言ってたけれど」
 みのりのだ、かなえにとっては実の母親だ。
「痛いから」
「だからよね」
「それに歯は戻らないから」
 一旦虫歯になったりすればというのだ。
「もう最初からよく手入れしておくことよ」
「食べた後は磨く」
「それは彰君にも言ってね」
「チョコレートを食べた後は」
「歯を磨く様にね」
「わかったわ、夫婦だとね」
「お互いの健康管理も大事よ」 
 共に暮らすならだ、かなえは娘にこのことも話した。
「だからね」
「こうしたこともよね」
「ちゃんとしておきなさいね」
「ええ、わかったわ」
 みのりは母の言葉に頷いて答えた、そしてだった。
 バレンタインが近付くと幸い時間があったので特大のハート形チョコを作った、板のミルクチョコレートを何枚も溶かしてだ。
 型に入れてそうして冷やして作った、ちゃんと文字も書いてトッピングも抜かりなかった。そしてバレンバインの日に二人が今住んでいるマンションの部屋に帰ってきた夫に出すとだ。
 彰は夕食の後そのチョコを食べて大喜びで言った。
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