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魔法少女リリカルなのは 〜優しき仮面をつけし破壊者〜
StrikerS編
114話:決着のとき
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「ガアあアぁあアぁあァァぁあアアァァぁぁぁッ!!」


 響き渡る獣のような咆哮、それは破壊したいという衝動から発せられるものか、それともただ単なる本能からくるものか。
 しかしそれを間近で聞いている士には、悲痛な叫びにしか感じられなかった。


「くッ…スカリエッティの奴…!」


 既に捕まっているらしいが、そんな状態でも邪魔をしてくるとは。とんだはた迷惑な野郎だ。
 そんな悪態を心の中でつくが、それで今の状況が覆る訳でもなく。吹き荒れる衝撃に身構えながら、ディエンドへの警戒を怠らずにいた。

 ―――しかし…ッ


「な…ッ!?」


 次の瞬間にはその衝撃が一瞬なくなり、ディエンドがすぐ近くまでやってきていた。
 すぐさま剣で迎撃を始める士、ディエンドが繰り出してくる攻撃は―――先程より格段に鋭く尖った両手の爪。

 逆手に持った剣で受け流し、また腕や手でも弾き防ごうとする。―――が、一瞬の一撃がディケイドの仮面を掠め、火花を散らす。
 咄嗟にバックステップで距離を取る。巨大に、そして禍々しく変化したディエンドの姿を見て、掠めた頬の部分に触れながら冷や汗を流す。


「このッ!」


 慣れ親しんだ動きで素早く剣を銃へと変形、照準をディエンドに向ける。左手を添えながら引き金を引き、マゼンタの弾丸が複数飛び出す。
 まっすぐに進んだ弾丸は、見事にディエンドの体に見事全弾命中。一瞬ばかり笑みを浮かべるが、それもすぐに消えた。

 確かに弾丸は命中した。しかしそれは彼の体に小さな煙を作るに止まったのだ。


「装甲まで化け物かよ、くそ…ッ!」


 簡単にはいきそうにない、そう思わせるその光景に再び悪態をつく。
 ディエンドは両手を広げ叫びながら、ディケイドに迫り始めた。対し再び弾丸を発射するが、火花が上がるだけでその動きは止まることはない。

 振るわれる鋭利な爪、それを掻い潜るように避けると、振り返ってきたディエンドの腹部に足を突き出す。
 少しよろけたところで距離を詰め、反撃の一撃を受け止め裏拳を放つ。見事に顔面へと命中したが、身じろぐどころか気にも留めない様子だった。

 その様子に驚いた隙を見逃す筈もなく、ディエンドは強化された剛力で無理矢理ディケイドの体勢を崩し、蹴りを繰り出す。
 「ガッ…!?」と腹にあった空気が吐き出され、ディケイドの体が大きく吹き飛ばされる。何度か地面を跳ね、廃ビルの壁に衝突した。


「ガハッ…! …こ、のぉ…こちとら、病み上がりなんだから、少しは手加減して欲しいんだが…」
「ガあぁアアッ!」
「してくれる訳ないよなッ!」


 突き出してきた爪を、咄嗟に腕で受け流して避ける。火花を散らす鋭
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