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ドリトル先生と奈良の三山
第三幕その五
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「かなり立派だったみたいだよ」
「実際になんだ」
「凄いお屋敷で」
「そこに住んでおられて」
「こうしたものを飲んで食べておられたんだね」
「そうだよ、じゃあ僕達もね」
 どんどん飲んでいく先生でした。
「こうしてね」
「うん、お腹一杯ね」
「食べて飲みましょう」
「長屋王みたいに」
「奈良時代のお食事を」
 動物の皆は笑顔で応えました、そしてです。
 実際に皆で奈良時代のお食事を心ゆくまで楽しみました。それが終わってからでした。
 先生はまたお風呂に入りました、この時も動物の皆は一緒でしたがここでまた先生に言いました。
「奈良時代にもお風呂あったよね」
「そうだよね」
「それでこうして入っていたのよね」
「当時のお風呂に」
「うん、当時のお風呂はサウナだったかな」
 先生は湯舟の中から皆にお話しました、とてもくつろいでいる感じです。
「蒸し風呂ね」
「お湯じゃなくて」
「そっちだったんだ」
「蒸し風呂だったんだ」
「そっちのお風呂だったんだ」
「やっぱり江戸時代まではね」
 ここでもこの時代がお話に出ました。
「蒸し風呂が主流だったんだ」
「日本では」
「そうだったんだね、お風呂も違ったの」
「日本はお湯のお風呂が主流って思っていたら」
「フィンランドやロシアみたいに」
「サウナが主流だったんだ」
「長い間」
 動物の皆は日本のお風呂のことも知ったのでした。
「温泉が多いけれどね」
「そうそう、日本ってね」
「何かと何処にでも温泉があって」
「皆楽しんでるけれど」
「そう、お湯のお風呂よりもね」
 江戸時代までの日本はというのです。
「サウナでね」
「奈良時代の日本も」
「ひょっとしたらサウナだったかも知れない」
「そちらが主流だったの」
「そうかもね、日本でお風呂によく入る様になったのは」
 先生はさらにお話しました。
「飛鳥時代からだしね」
「あっ、その明日香」
「先生がこの奈良市の次に行く」
「そこからなんだ」
「はじまったの」
「中国の入浴の習慣が伝わって」
 日本からというのです。
「それでだったみたいだよ」
「日本人もお風呂に入る様になった」
「そうなの」
「そうみたいだね、日本人のお風呂好きはそこからはじまって」
 そしてというのです。
「お湯が主流になったのはね」
「江戸時代なんだ」
「じゃあお風呂屋さんもだね」
「江戸時代からだね」
「そうした湯のお風呂屋さんが主流になったんだ」
 そうだったとです、皆にお話しました。
「そこはね」
「そうなのね」
「昔の日本のお風呂はサウナだったの」
「お湯じゃなくて」
「そっちだったのね」
「だからね」
 それでというのです。
「僕が奈良時代にいたらね」

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