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ドリトル先生と奈良の三山
第三幕その四

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「それでもね」
「かなり忠実に再現しているんだ」
「奈良時代のお料理を」
「そうなのね」
「うん、当時の文献を読んで食材を集めて」
 そうしてというのです。
「調理の仕方もだよ」
「当時の作り方で」
「作っていて」
「今の人の舌に合わせていても」
「それでもなの」
「そう、当時のお料理をね」
 まさにそれをというのです。
「こうして再現しているんだ」
「成程ね」
「凄いことだね」
「千三百年前のお料理の再現なんて」
「それもかなり忠実に」
「出来たのはね」
 それはというのです。
「凄いことだよ、ではね」
「うん、どんどん食べてね」
「どんどん飲んで」
「それで明日はね」
「先生は学会だね」
「行って来るよ、そしてね」 
 先生は杯の中の白酒を楽しんでいます、その中には氷も入っています。
「午後は東大寺に行こうね」
「大仏殿だね」
「そこに行くんだね」
「論文の一つを書く為に」
「そうするのね」
「そうだよ、あとこれはね」
 氷を入れたそのお酒のお話もするのでした。
「今の僕達の飲み方だけれど」
「あっ、オンザロック」
「それだね」
「お酒に氷入れて飲んでるけれど」
「先生言ってたわね」
「当時氷は極めて貴重だったって」
「そう、それがね」
 今はというのです。
「こうしてね」
「飲めるんだね」
「今は」
「普通に氷で冷やしたお酒を飲める」
「昔とは違って」
「こうした飲み方が出来る人は限られていたんだ」
 奈良時代はというのです。
「長屋王という皇室の方がしておられたそうだよ」
「長屋王?」
「その方がなの」
「うん、皇室の中でも凄い力を持った方でね」
 それでというのです。
「おそらくこうしたご馳走を楽しんでいてね」
「お酒もなんだ」
「今の先生みたいに氷をお酒に入れてだね」
「飲んでいたんだ」
「そうしていたの」
「そうだよ、そして今僕はね」
 その氷を入れた白酒を飲みつつ言うのでした。
「長屋王と同じ飲み方をしているんだ」
「ううん、歴史ある飲み方だね」
「そうだね」
「今の先生のお酒の飲み方は」
「本当に」
「凄く美味しいよ、あと長屋王のお屋敷は」
 それはといいますと。
「跡地が見付かっているよ」
「あっ、そうなんだ」
「その長屋王のお屋敷の跡もなんだ」
「わかっているんだ」
「そうだったの」
「そうだよ、近年発見されたんだ」
 先生が今飲んでいるお酒の飲み方をしていた方のお屋敷がというのです。
「そこに住んでおられたんだよ」
「それも歴史だね」
「やっぱり凄い発見よね」
「皇室の方だし凄いお屋敷だったのかな」
「絶対にそうだよ」
「うん、敷地面積も凄くて」
 広くてというのです。
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