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ドリトル先生と奈良の三山
第三幕その三

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「こうして違う色のお米もあるね」
「実際に観てびっくりだよ」
「そうよね」
 チープサイドの家族もお話します。
「何ていうかね」
「別の食べものみたいだよ」
「けれどだね」
 トートーもそのお米を見ています。
「お米なんだね、これも」
「お米は一色だけじゃないってことね」 
 ダブダブも言います。
「それが目でもわかったわ」
「本当に見るとよくわかるわね」
 ポリネシアはそのダブダブに応えました。
「そうしたお米もあるって」
「お米もびっくりだけれど」 
 ガブガブは黒いお素麺も観ています。
「黒いお素麺もあるんだね」
「これも凄いね」
 チーチーもそのお素麺を観て言うのでした。
「白いお素麺だけじゃないんだ」
「奈良時代にはこうしたお素麺もあったんだね」
 老馬の口調はしみじみとしたものでした。
「いや、これも不思議だよ」
「クッキーみたいなお菓子もあるしね」
「これ美味しそうだね」
 オシツオサレツは二つの頭でそちらを見ています。
「お菓子もこんなのだったんだ」
「奈良時代は」
「食器も陶器じゃないね」
 ホワイティはこのことを指摘しました。
「木のものばかりだね」
「うん、チーズもあるし」 
 最後にジップが言うことはといいますと。
「これが蘇だね」
「そう、これが蘇だよ」
 その通りだとです、先生はジップに答えました。
「そのチーズだよ」
「昔の日本の」
「それなんだ」
「色は茶色でね」
「味もそうだろうね」
「匂いもチーズだしね」
「おそらくね、僕もはじめて食べるんだ」
 その蘇をというのです。
「だから楽しみだよ」
「それは他の食べものも同じで」
「確かに楽しみだね」
「他のお米も食べものも」
「それにお酒もね」
「全部ね、ではね」
 皆に笑顔で言った先生でした。
「これから食べようね」
「それじゃあね」
「今から食べようね」
「この奈良時代のお料理を」
「そうしましょう」
 こうしてです、皆で奈良時代のお料理を食べますがここででした。動物の皆はそれぞれ一口食べてから言いました。
「あっ、これもね」
「いいね」
「そうだよね」
「あっさりとした味で」
「すっきりとしてて」
「蘇もお素麺も美味しくて」
「お米もね」
 その黒いお米や赤いお米もというのです。
「お魚のお料理も」
「お野菜や山菜のお料理も」
「あっさりとした味付けで」
「素材も活きていてね」
「味付けは今に合わせているけれど」
 それでもと言った先生でした、勿論先生も食べています。
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