ターン86 百鬼の疾風と虚無の仮面
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のもとへとその全身を晒す。
異様に長い3つの首と、その半ばほどから繋がる1つの胴。4つの鉤爪に3本指の足こそ持つものの、少なくともすぐ横のあからさまに異形とわかるマスクド・ヘルレイザーに比べればおおむね人型に近寄っているようにも見える。だがなんといっても異様なのは、その胴の中央だろう。よく見ればその腹のあたりには、人間の上半身らしき形をした人形が埋め込まれている。それも一目見ただけで嫌悪感と異様な物への恐れを覚えるであろう、全身を拘束具に縛られた状態でだ。繰り返すが、それはただの人形でしかないはずだ。誰が何のためにこの悪魔の体にそんなものを埋め込んだのか、なぜそれを強靭な悪魔の肉体のみならず拘束具まで使って縛り付けなければならなかったのか、なぜ悪魔はその爪で人形を引きはがそうとしないのか、そしてそもそもあの人形は何を意味しているのか。全てを知るものはもはや存在しないだろうし、これからも現れることはないだろう。
仮面魔獣デス・ガーディウス 攻3300
「く……!」
「まずはこちらからだ。マスクド・ヘルレイザーで牛頭鬼を攻撃する」
「トラップ発動、針虫の巣窟!俺のデッキの上からカードを5枚墓地へ!」
ヘルレイザーが手にした杖を振り回し、その先端から破壊の閃光を放つ。それがコルセスカを構える牛頭鬼に命中する前に、三沢が動いた。
「ランダムな墓地肥やしか。アカデミアの秀才を名乗る割には、ずいぶんと運頼みな戦術のようだが」
「そう呼ばれていたのも昔の話だがな。それに、これは運頼みなんかじゃない。ただの確率の問題だ。俺はこのデッキを組む際、手札や場を経由せず直接墓地に置かれても問題なく仕事のできるカードを中心にカードを選んだ。従ってこの針虫の巣窟は、たとえどんなカードが落ちようと9割以上の確率で何らかのアドバンテージを俺にもたらす!」
「ならば私も、そのアドバンテージのご相伴に預かるとしよう。速攻魔法、魔力の泉を発動。相手フィールドで表側の魔法、罠カードの数だけデッキからカードを引き、その後自分フィールドで表側の魔法、罠の数まで手札を捨てる。竜操術、ドラグニティ−コルセスカ、そしてその針虫の巣窟の存在により3枚を引き、魔力の泉自身の存在により1枚を捨てる」
ともにカードを引くため、自らのデッキに手を掛ける。かたや引き抜いた3枚のカードから1枚を選びゆっくりと墓地に送ったのに対し、もう片方は引き抜いたデッキトップ5枚に目を走らせてすぐさま墓地に送る。その直後、閃光をまともに受けた牛頭鬼の姿が1瞬で消し飛んだ。
仮面魔獣マスクド・ヘルレイザー 攻3200→牛頭鬼 攻2200(破壊)
三沢 LP4000→3000
「ぐっ……!痛い出費だが、この程度はまだ必要経費だ。墓地に送られた牛頭鬼はその効果により自身以外の
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