ターン86 百鬼の疾風と虚無の仮面
[8/18]
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
セスカ)
魔法・罠:竜操術
ドラグニティ−コルセスカ(牛頭鬼)
2(伏せ)
「私のターン、マンジュ・ゴッドを召喚。召喚時の効果によりデッキから、高等儀式術を手札に加える」
マンジュ・ゴッド 攻1400
オクトロスのいた場所に召喚されたのは、儀式召喚のお供とも呼ぶべき儀式に関しての万能サーチャーだった。その効果によって新たに手札に加わった儀式魔法と、先ほどサーチされたばかりの儀式モンスター。すぐさま部屋の中心に魔方陣が浮かび上がり、その中心からおどろおどろしい異形の影が蒸気の漏れるような呼吸音と共に這い上がってくる。
それは辛うじて人型の上半身と、その首の上にあるはずの頭部を覆い隠すまるで拷問でもされているかのようにむごたらしく素肌に直接縫い付けられた仮面。だが、そんな特徴もこのモンスターを語る上ではまだマシな方だ。その下半身に至ってはもはやこれは何だ、と形容するのもおぞましい肥大した尾、としか呼びようのない不気味な肉塊と、それらすべてを支え這い回るのに適した昆虫のような太い脚。体内から直接生えてきているらしい無数の絶望、悲哀、怨嗟の感情をあらわにする面の瞳の奥に一斉に鈍い光が灯り、いくつもの視線が三沢の全身を舐めまわすようになぞる。
「儀式魔法、高等儀式術を発動。デッキからレベル合計が8になるよう通常モンスターを墓地に送ることで手札の儀式モンスター、レベル8の仮面魔獣マスクド・ヘルレイザーを儀式召喚する」
仮面魔獣マスクド・ヘルレイザー 攻3200
そう言いながら自らのデッキに手をかけて2枚のレベル4通常モンスター、メルキド四面獣と仮面呪術師カースド・ギュラを墓地へと送り込むミスターT。その仮面モンスター2体を見て真っ先に三沢の脳裏に閃いたのは、眼前のマスクド・ヘルレイザーと対を成すもう1体の仮面魔獣の存在。目下のところ早急な対策が必要なのはこちらの仮面魔獣だが、片割れの存在を意識してのプレイングも必要になってくると頭の片隅に止めておく。
だがまるでそんな浅い考えは筒抜けだと言わんばかりに、もう1枚のカードが発動された。
「さらに魔法カード、黙する死者を発動。墓地の通常モンスターであるメルキド四面獣を守備表示で特殊召喚し、このカードとマンジュ・ゴッドの2体をリリースする」
「なに、すでに手札にあったのか!」
「そういうことだ。出でよ、仮面魔獣デス・ガーディウス!」
何もない空中にいきなりぼ、ぼ、ぼ、と3つの青い面がぐるぐると回りながら浮かび上がる。やがてそのうち1つを頂点としてその少し下の位置に横並びで2つが並ぶ三角形を作ったところで回転が止まり、その面の後ろから隠れていた首が、そしてその3つの首を併せ持つ本体が闇の衣を取り去って今にも消えそうなほどに弱まった照明
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2025 肥前のポチ