暁 〜小説投稿サイト〜
遊戯王GX〜鉄砲水の四方山話〜
ターン86 百鬼の疾風と虚無の仮面
[7/18]

[8]前話 [1] [9] 最後 最初 [2]次話
00→2200

「バトルだ。牛頭鬼でそのセットモンスターへと攻撃!」

 牛頭鬼 攻2200→??? 守800(破壊)

 新たなる得物を手に入れた牛頭鬼が、全て砕けろと言わんばかりの勢いでコルセスカをセットされたモンスターへ叩き込む。吸い込まれるようにその中心を貫いた穂先に1瞬だけ毛の1本も生えていない黒い体に何本もの赤い筋模様が走る4つ足の悪魔が見えたが、すぐに破壊されて消えていく。だがその存在を見て攻撃をわずかに後悔すると同時に、三沢はミスターTのデッキが前回とはまるで異なるものであることを確信した。

「墓地に送られたモンスターは、魔犬オクトロス。このカードの効果により、デッキからレベル8の悪魔族モンスター1体を手札に加える。私が選ぶのはこのカード、仮面魔獣マスクド・ヘルレイザーだ」

 ミスターTが取り出して見せたのは、かつてのバトルシティにおいて武藤遊戯と海馬瀬人のタッグチームを苦しめた通称仮面コンビの切り札の一角である青い枠のモンスター。

「また儀式モンスターか?よほどお気に入りのようだな。だが俺も、装備状態のコルセスカの効果を使わせてもらうぞ。このカードを装備したモンスターがバトルで相手モンスターを破壊した時、デッキから装備モンスターと種族、属性が等しいレベル4以下かつ同名以外のモンスター1体を手札に加えることができる。酒呑童子をサーチし、カードを2枚伏せてターンエンドだ」

 サーチを許してしまったのは痛いが、こちらも荒い手札消費をサーチ効果でカバーできたのだから、そう悪い立ち上がりではないはずだ……三沢の脳は、そう初ターンでの激突の状況を分析する。ただ同時に、儀式主体の相手は勘弁してほしかった、ともぼんやり思った。
 とはいえ彼自身も様々なタイプのデッキを操るデュエリストとして他人よりも幅広い戦術をカバーしていると自負しているし、事実儀式モンスターに関してもリトマス死の剣士を主軸としたデッキを1つ組んでみた経験がある。それでもなお前述の感想に繋がるのは、単純に経験の問題だ。そもそも儀式デッキは、メインモンスターのみで戦うデッキや融合デッキに比べその絶対数が少ない傾向にある。カード1枚1枚の効果やそこから考えられるコンボなどは全て残さず彼の頭には入っているものの、実戦を通じて得られる間合いや呼吸をまだ獲得しきれていない。清明の話によれば、それまでのミスターTは融合やダークモンスターのデッキを主に使っており儀式に手を出したのは先ほどの三沢戦が初だったという。こちらの実戦経験の少なさを承知したうえであのデッキを持ってきたとしても驚かないぞ、と自らに釘を刺した。

 ミスターT LP4000 手札:4
モンスター:なし
魔法・罠:1(伏せ)
 三沢 LP4000 手札:1
モンスター:牛頭鬼(攻・コル
[8]前話 [1] [9] 最後 最初 [2]次話


※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりをはさむしおりを挿む
しおりを解除しおりを解除

[7]小説案内ページ

[0]目次に戻る

TOPに戻る


暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ

2025 肥前のポチ