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遊戯王GX〜鉄砲水の四方山話〜
ターン86 百鬼の疾風と虚無の仮面
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ともこの俺に見えているカードの効果で不意を突こうなどとは百年早い。速攻魔法、炎王円環を発動!場の炎属性モンスター1体を破壊し、墓地から別の炎属性モンスター1体を特殊召喚する。九尾の狐を破壊することで、怨念の魂よ甦れ!」

 2度にわたる攻撃を終えた九尾の狐に、仮面魔獣の亡骸から放たれた最後の仮面が迫る。しかしその顔が復讐の仮面に包まれる直前、誇り高き大妖怪は自らの体に火を放つことで遺言の仮面、そしてブランディストックごとその命を炎の中へと還していった。
 しかし、それで終わりではない。音もなく燃え盛るその火柱に誘われたかのように、炎の中心がぶわっと膨らんだかと思うとそこに人の顔らしきものが浮かび上がる。

 怨念の魂 業火 攻2200

「おっと、これだけじゃないぞ。九尾の狐が破壊された時、場に2体の狐トークンを特殊召喚する」

 狐トークン 守500
 狐トークン 守500

 巨大な怨念の集結により生み出されたあやかしの炎と、その横で輝く2つの小さな狐火。3つの炎が部屋を赤く照らし、揺らめく蜃気楼の中で三沢が最後の指示を出す。

「続けて、業火でダイレクトアタック!」

 業火が一際大きく燃え上がり、その口から火炎弾を吐き出す。眼前のミスターTめがけ一直線に飛んで行ったそれが目標に狙いたがわず命中し、炎がすべてを終わらせる……はずだった。

「馬鹿な!」

 三沢がそう叫んだのも無理はない。業火の吐き出したはずの炎は命中して爆発するどころかその寸前でみるみるうちに勢いを無くし、凶悪な爪と杖……ついさっき大妖怪の手を持って直々に闇へと還されたはずの悪魔の、その一撃をもって霧散させられたのだ。

 仮面魔獣マスクド・ヘルレイザー 攻3200
 仮面魔獣デス・ガーディウス 攻3300

「なぜ、そのモンスターが2体とも復活して……」

 疑問の声が、途中で絶句に変わる。違ったのだ。モンスターは、「2体」ではない。2体の仮面魔獣の全身から伸びてその動きを操る闇の糸が、その背後に隠れて見えなかった3体目のモンスターの手元へと続いている。

 死霊操りしパペットマスター 守0
 ミスターT LP2900→900

「パペットマスターだと……?だが、そのカードの召喚に成功し、なおかつ効果を発動したということは……まさかっ!」

 死霊操りしパペットマスター。攻守ともに0でレベル6と単体でのステータスだけを見るならば扱いにくいことこの上ない闇属性悪魔族のモンスターだが、その真価はパペットマスターの名が示す通りの特殊能力にあった。
 すなわち、アドバンス召喚に成功した際にプレイヤーの墓地から悪魔族を2体蘇生させることのできる力。プレイヤーに2000という莫大なライフコストこそ強いるものの、自らの傷つき倒
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