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愛犬と占い師
愛犬と占い師
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ほほほ……」
笑った少し歪んだ顔は、一層狂気にあふれた色気がにじみ出ていて、薄気味悪くて逃げ出した。怯えと危機感を覚え、二度とこれに関しては病院に行くまいと堅く決心した。

三LDKのマンションにたった一人で住んでいるのは、寂しいからセシルを飼った。
セシルを溺愛しているので、彼女も私にメチャメチャなついているワ。
可哀そうだけど、いつも使っている器に大好物の餌を水と、大事にして遊んでいる綿製ボール用意して、セシルをだけにして毎朝八時半には、マンションを後にして仕事場に向う。
近くにある大きなショッピングセンターの一角に占い通りがあり、私は、「人相占いの店」を出店している。
お客様を迎えるこまごまとした準備をし終わると同時に、ショッピングセンターが開店する。開店を待っていたかのように、大勢の女性がまるで津波のように押し寄せる。しかも、連日朝から超満員だ。お客様全員が女性で、女子高生、若いOL達ばかりである。占いの内容は、全て恋愛に関係したものばかりで、私にとっては得意分野ダッタワ。だって、自分の中に女性がいて手に取るように分かってイルモノ。しかも、少しだけだけれど超能力もアルノヨ。
小さな店の割には、テナント料は随分高かった。
鑑定料は、一人当たり五分で一回一万円にもかかわらず、私の館だけ、長い行列が出来る程繁盛し、帰りには大きなダンヒルのバッグでさえ、札で一杯になる。
昼ご飯を食べるのさえ、裏口ドアからお客様に見つからないように出ている。若い女性を煩わしいと思う時もある。でも、大切な収入源だから、こんな事を考えるなんて天罰が当たりソウダワ。
栄えているのは、私の館だけ。他の占いの店には、ほとんどお客様はイナカッタワ。
手相も多少心得ているから手相占いもするが、手を触れば必ず私に恋心を抱き、鑑定中感極まってか、手を強く握ってくるお客さんもいて、急に眼が潤み、まるで恋人にやっと会えたかのようなフェロモンさえ体中から発散させ、鑑定が終わっても一向に立ち去ろうとしたがらない女性には辟易する。
ペットショップへ行った時、わざわざ徒歩だったのにもそれなりの理由がある。
〇〜百KM/Hを三.四秒、開発に元F1ミハエル・シューマッハが参加し、五百七十PS/九千PMの最大出力を誇るフェラーリの最新車を所有している。
どこに駐車しても、女性が大勢、まるで砂糖に集まる蟻のように集まっている。どうやら、女性にはたまられない魅力のフェロモンが、ハンドル等に残っているからのようだ。女性の目はトロンとしていた。
それ以来、愛車は一階にある私専用シャッター付車庫に、国宝の阿弥陀如来像のように鎮座したままだ。

セシルも良く馴れ、体長も一.五メートル、体重四十キログラム程に成長した頃から、奇怪な事が起きるようになった。
リビングでボンヤリ女性週刊誌を読
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