幕間20 パリに咲き誇る黒百合、男の娘アイドルと王女
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――――オフランス王国、ベルサイユ宮殿――――
惑星パリにあるオフランス王国の首都は、
ベルリン星域にある芸術の惑星ウィーンと並び芸術の都と呼ばれている。
中でもベルサイユ宮殿はオフランス絶対王政の象徴的建造物だ。
第一次世界大戦で敗れたドクツ帝国が結んだ屈辱的な講和条約は、
この宮殿で調印式が行われたのでベルサイユ条約と呼ばれている。
「おお偶像を導きし者よ! エル・プサイ・コングルゥ!
このオフランス伯爵、お会いできて感嘆の極み!」
美男子と称するほどではないにせよ、
品性と家門を感じさせる風貌の青年詩人が挨拶を交わしてくる。
ドクツ第三帝国の総統代行ゲッベルスは
エイリスに無条件降伏を申し出てロンドンに向かう途中だった。
経由地のパリ星域では新国王ルイ81世が外交使節団を迎え、
ゲッベルスはエイリスの迎えが来るまで晩餐会に招かれていた。
お陰で毎日が晩餐会のヘビーローテーションだ。
「ああ、女神よ。この豚の汚れた男根を洗い清めてくれないだろうか。
怒張してそそり立つ偉大な山脈を、罵り、弄り、白濁に染めて欲しい!」
オフランスの詩は求婚投機-チューリップバブル-で失われた蘭子語の流れを組んでいる。
蘭子語の詩に比べて意味を理解するのは容易いが精神的につらい。
エイリスからは女王の守護騎士と言われるロレンス提督が来るというが……。
「Aは肛門、Cは制服、Eは愛欲、Iは口淫、Oは胸部……
母音たちよ、何時の日か汝らの出生の秘密を語ろう♪
聖女よ。是非、私と夜のおフランス語学習は如何かね?」
親衛騎士隊長ロレンス!!!!はやくきてくれーっ!!!!
ある日、伏見空が仮病を申し出て晩餐会を断ったところ不思議な出来事が起こった。
ドクツ第三帝国の解散コンサートの中継に感動したオフランス貴族が、
是非とも“東洋のアイドル”シャーリー・アキ(芸名)に会いたいと言い出したのだ。
敏腕Pゲッベルスは担当アイドルの出演拒否(ドタキャン)には厳しい。
以前レーティアが映画の出演をドタキャンしたことがあるが……いや語るまい。
総統代理はオフランス貴族の申し出を快く引き受けた。
アイドルがプロデューサーに逆らうなんて(固有結界による脅迫で)出来ない。
翌日から特命全権大使の伏見空は梅毒で病気療養中となり、
代わりシャーリー・アキが親善大使として晩餐会に出席している。
_| ̄|○ il||li 鬱死にたい
心の中はともかくとしてシャーリもプロのアイドルだ。
誰しもが虜になるであろう満面の笑みで詩人たちをあしらっていた。
美人プロデューサーによるバブみたっぷりの癒しを妄想しながら……。
「ふむ。シャーリー君は夜の浮世絵鑑賞はど
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