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最低で最高なクズ
ウィザード・トーナメント編 前編
「11」 その3
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のを待っていた。
辺りは街灯によって所々照らされているだけで、そのほとんどは暗闇に包まれている。

副会長の作戦通り、マーリン学園が犯人との交戦、ブリッツ学園が上空偵察、ベルズ院が交通網の整備を行っていた。


「誠くん。」

「どうした?」

「君は一人目の被害者を事件直前に目撃した。それを踏まえた上で質問がある。」

「内容によるが、可能な限り答えてやる。」

「犯行時刻は23時以降で間違いないのかな?」

「正直なところ確証はない。確かに被害者をホテルで目撃したのは23時以降の事だった。だが俺は犯行現場に遭遇したわけじゃない。何時に事件が起きたのかはまた別の話だろう。」

「なるほど。じゃあ次だ。」

「犯人の人数、君はどう考えている?」

「それに関しては完全に個人の見解になるが、俺は単独犯だと考えている。」

「理由は?」

「それなんだが....犯行手口を考えたんだ。今回の事件の被害者は全員が負傷したにも関わらず、死には至っていない。俺の考えだが、幾ら他人の技を見よう見真似でやったとしてもどこか違いが出るのが普通だ。つまり...」

「複数人の場合、全員が同じようなことはできないだろうっていうことだね。」

「まっそういうことだ。」


時計を見ると時刻は22時59分。
あと1分で23時に突入する。
そして時刻はいよいよ23時に突入した。
自然と俺とシルバに緊張が走る。
ここからは何時(いつ)何処から犯人がやって来るか分からない。
俺は上空偵察中のブリッツ学園の生徒と連絡を取る。


「今のところ何かが侵入した反応はありません。」

「了解です。引き続き頼みます。」


無線を切った。
23時15分頃。
事件はなんの前触れもなく突然起こった。
鼓膜を破るような異常な爆発音が聞こえたのだ。
音の方向からして現場はここから少し遠いくらい。
俺はすぐさま上空偵察部隊に連絡を取る。


「どうしたんですか!」

「分かりません。ですが大混乱が起こっているのは確実だと思われます。」

「シルバ!すぐ現地へ応援に向かってくれ。」

「だが犯人がまだ見つかってない。単独行動はお互いにとって危険なはずだ!」


現時点で考えれば爆発のあった現場のほうが危険度は高いだろうと俺は踏んだ。
俺よりシルバを向かわせるほうが安全性は高いはずだ。


「ここは俺に任せろ。犯人は今、爆発のあった現場にいる可能性のほうが高い。」

「それもそうだけど.......。」


シルバは少し考える。
俺がシルバでも少し考える時間が必要だろう。
だがシルバの答えはあまりにもすんなりと出る。
現場に向かうことにしたのだ。


「15
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