ウィザード・トーナメント編 前編
「11」 その3
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手配を午前中の内に済ませていたのだ。
流石は副会長だと俺は感服した。
俺が自身の考えに辿り着くよりも先に1つのプランを建てて準備に移っていた。
しかも、2校との協力は一般生徒なら提案しても認められないだろうが、副会長の権限となれば話は別だ。
「安心しろ。お前が思っているほど俺も状況が理解できないわけじゃない。常に次の一手を考えながら動いてるよ。じゃあ一旦席を外してくれるか?」
「はい。」
俺は席を外した。
入れ替わりで会長がやって来る。
その表情はどことなく不安そうに見える。
「雄様。」
「分かってるよマリ。今回は危険な橋渡りだ。無論、最高責任者の役は俺がやる。お前は特別だからな。」
「検討を祈っています。無事でいて下さいね。」
会長と副会長には秘密があった。
というのも、副会長は誠が考えている学園変革の流れを本当に実行して成功させた存在だ。
まぁ初めから話すとそれだけで物語ができそうだから今は深く踏み込んだりはしないけど。
午後3時頃。
再び捜査メンバーに招集が掛かる。
そこで俺は改めて副会長の作戦を知ることになる。
無論、反論もあった。
捜査メンバーの半分くらいは各学年の主席と次席だ。
もし、負傷して出場不可になった場合、それはマーリン学園の知名度の低下や、生徒の安全性を考慮しない教育方針だと認識されかねない。
しかし、誰もそれに勝る案を出すことはできなかった。
誰もが副会長の作戦がベストだと理解していた。
「ポイントごとの配置だ。検討を祈ってるぞ。」
俺はそれを見て驚いた。
俺とシルバの班が俺が特定した例のポイントに配置されていたのだ。
俺はすぐさまそれを指摘しようとしたが、副会長のことだから何か考えがあるのだとも思った。
解散した後、俺は副会長に理由を聞いた。
返答はこうだった。
「犯人が来るだろうって理解できてるんだから、本当に来たとしてもそれなりの心構えでいてくれるだろ?」
「..........はぁ?」
俺の反応も無理もない。
まさか、一番重要な所に感じては何の考えもなかった。
だが今更変更を頼んでも不可能だろう。
なぜなら捜査メンバーは既に解散したからだ。
「はぁ.....。」
「事件終わったらロンドンで飯でも奢ってやるよ。」
「死ぬ可能性あるのに報酬はそれだけですか?」
「じゃあ何が欲しい?」
「......事件が終わってから考えます。」
その夜。
時刻は22時30分。
俺とシルバは配置されたポイントにて犯人がやって来る
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