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IS【インフィニット・ストラトス】《運命が変わった日》
【第652話】
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いが」


 小さく笑みを溢したエレン、合同班の近接模擬戦は続いていく。

 グラウンドで一年生が授業を行っている時間帯の港では、IS関連の備品が入ったコンテナの積み降ろし業務、食料品等がフォークリフトで忙しなく運ぶ姿が見受けられる。

 学園側の人間が主体なのだが、貨物船従業員も総出で倉庫に運ばれている。

 IS用強化外骨格クサナギ――ISが無いと使えないこの強化外骨格は静かに倉庫奥に鎮座されている。


「あのロボット使えりゃ、コンテナなんてあっという間なのに」

「仕方ないっすよ。 あれはIS用っすからIS無きゃ使えないんですから」


 作業員の二人は愚痴りつつ、器用にリフトでコンテナを積み上げていた。

 奥のハンガーを恨めしそうに見ているのもやはり使えない機械があるのが原因だろう。


「そういや噂だけど、アメリカじゃあのサイズのコクピット式強化外骨格の試作品が試験稼働してるって噂だな」

「それどこ情報っすか? EOSとかってオチじゃ?」

「違うって。 何でも戦車に取って変わる強化外骨格だって。 噂だから眉唾って言われるけど、火の無い所には煙は出ないって言うだろ?」

「そりゃそうっすけど……」


 コンテナを積み上げ、書類を再度確認する作業員二人は他愛ない会話で紛らわせていた。

 元はワークローダーだった強化外骨格クサナギ、当時の面影は無いもののIS用強化外骨格パッケージとしては革新的だった。

 だが、今噂であがってる強化外骨格の話が真実かは誰にもわからなかった。

 それでも作業員が噂をするぐらいなのだ、やはり火の無い所には煙はたたない――。

 少しだけ場所は変わり、港から離れた灯台の下では親猫と子猫三匹が朝食の魚にありついていた。

 骨だけとなった魚と身がある魚、身があるのは昼食用なのかもしれない。

 満足そうに親猫は身を縮ませ、子猫は寒さから逃れる様に親猫の側に身を寄せていた。


「にゃ……(寒いよ……)」

「にゃふ。 にゃう(この時期は仕方ない。 本当なら寮とか学園なんだがな)」

「にゃにゃー、にゃうにゃう(ママー、ならそこに行こうよ)」

「にゃ。 にゃにゃん(今の時間歩けば事故に遭うかもしれない。 我慢しなさい)」

「にゃん……(はぁい……)」


 出来るだけ身を寄せ合う親猫にゃん太郎と子猫三匹、寒さに必死に堪えるのだった。

 遠く離れたアメリカの荒野、軍の秘匿地域にある基地。

 炸裂する音と荒野全体に響き渡る雷音――音の中心には立ち込める白煙。


『テストは其処までだ!』


 陸軍大佐の通信によって鳴り響いていた轟音はぴたりと止む。

 白煙は風に舞い散り、そ
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