93 昼食
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よ」
「え?はい、ありがとうございます!」
「では、頑張りたまえ」
片山は去った。
「よし、また練習を始めるぞ!」
藤木はスケートリンクに入った。
「それじゃ、ボクはこれで失礼するよ。精精頑張ることだね」
「うん・・・」
和島は帰った。
「藤木君」
堀が呼んだ。
「今日もかっこよかったわよ。行こう、私の家に案内するわ」
「う、うん、ありがとう」
藤木は堀に手を繋がれ、スケート場を出ていった。
「そういえば今日はみどりちゃんいないね」
「あの、その、昨日迷惑かけちゃったし、藤木君の練習を中断させちゃったからね。今日はそのお詫びのつもりで一人で来たの」
(お詫びにしては随分すごいもてなしだと思うけどな・・・)
藤木はそう思いながらも堀の家へと向かった。
笹山は忘れようと思っていた筈の藤木がどうしても気になってしまっていた。
(藤木君はあの日すれ違った時、スケート靴を持ってた・・・)
「あの日」とは藤木が不幸の手紙を出した事で学級会で皆から批判を受けて晒し者にされた日である。その放課後、藤木は開き直ったのか、気を紛らそうとしていたのか、スケート靴を持っていたのでスケートしに行ったのかと思った。笹山はその時藤木とすれ違っていたのでよく覚えていた。
(もしかしてスケート場であの子と知り合ったの・・・?)
笹山はたまたま藤木が気になってスケート場に行った時、見知らぬ女子と一緒に歩いていたのを見ていた。そして藤木が自分とリリィに嫌われた事でその傷心を癒す為にその女子を好きになるのではないかと思っていた。
堀の家に着いた。借家の藤木の家とは異なり、立派な家に見えた。
「只今」
「お邪魔します」
堀の母親が出迎えた。
「お帰り。貴方が藤木君ね。うちのこずえと仲良くしてくれてありがとう」
「いえ、こちらこそお世話になっています・・・」
藤木はやや畏まって挨拶した。昼食をご馳走になった。御飯に回鍋肉に味噌汁、さらに生野菜サラダや南瓜の煮付けが食卓に老いてあった。堀の母は「昨日の残り物だけどごめんね」とは言っていたが、どれも藤木には美味しく感じた。藤木は食事をしながら堀の両親と話をした。
「ところで藤木君はこずえとは学校違うのにどうやって知り合いになったんだ?」
堀の父が藤木に質問した。
「あの、それは、堀さんの友達がうちの学校の女子と友達で、それで知り合ったというわけです」
「複雑ね。友達の友達の友達って」
「はい」
「それにしてもこずえが男の子を招待するなんて珍しいわね。こずえって藤木君が好きなの?」
母親に聞かれて堀は顔を赤くした。
「う、そんな事は。吉川さんが藤木君を好きだし・・・、私はその・・・」
堀はどう言い訳しようかと四苦八苦した。
「でも僕から見て
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