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【完結】戦艦榛名に憑依してしまった提督の話。
0282話『藤波の思い』
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しだけ怖いけど、でも冬の作戦はとても楽しみだね。過去にかなりの惨敗をした記憶があるから今度こそはっていう思いもあるからね」
「そうだな。西村艦隊のみんなみたいに今度もみんなで乗り越えような」
「もち当然!」

藤波はそれで笑みを浮かべる。
こういう時は司令も色々と話を合わせてくれるから嬉しくなるんだよね。
こういう時にこの場に鳥海さんとか他の姉妹のみんなもいたらもっと盛り上がるだろうなぁ……。
でも、今は藤波と司令だけ。榛名さんも今は見えないけどいるにはいるから三人か。

「そういえば、榛名さんもどうせなら活躍したいんじゃないの……?」
《活躍ですか……そうですね。おそらく私も固定要員にはなると思いますからその時は提督が出ることになるのでしょうけど……》
「あ、そっか。そういえばいっつも司令って長門さんに提督代行を任せて出撃しているよね。あれって司令官としてはどうなのさ?」
「うぐっ……それを言われると少しだけ弱いんだよな。でも、榛名と一緒に活躍したいっていう私の我儘だから多分だけどこれからも出撃はすると思うよ」
「ふーん……まぁ、演習で今は一緒に付き合う仲だから司令の腕も知っているから何も言わないけど今でも心配に思っている子はたくさんいるんだから滅多なことはしでかさないでよ?」
「ふふ、わかっているよ。春の作戦の時のような失態はもうしないさ」

春の作戦の時か……。
北方水姫との戦いの時だったね。
あれは思い出すだけでひどかったよね。
大本営からの出撃命令が出てまだぎこちなかった司令は北方水姫の砲撃の直撃を受けて大けがをして気絶している中で至急ドッグに入れられていたから。
藤波達艦娘は大破っていうのは慣れっこだから大丈夫だけど、司令はもとはただの人間だったんだからかなりの激痛が走っただろうしね。
そう思うと、司令って強いよね。
そんな体験をしたのに今なお出撃はしているんだから。
それで藤波は少しだけ感心しながらも、

「藤波? いきなり私の頭を撫でないでくれないか?」
「いいじゃん。司令はいっつも頑張ってるんだからたまには甘えなよ」
「そうか? まぁ悪い気はしないからいいけどな」
「そうそう。素直が一番だよ」
《藤波さんも優しいですね》

っと、榛名さんにそんな褒め方をされてしまった。
うーん、こういうのは夕雲姉とかの専売特許なんだけどな。
ま、たまにはいいよね。

「それじゃ司令。今日も残りの作業を頑張っていこう。この藤波と一緒ならすぐに終わるって」
「そうだな。頼りにしているぞ」
「もち!」

そんな感じで今日も今日とで頑張って仕事をしていったのであった。




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