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ある経営者の後悔
ある経営者の後悔
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より面接を始めたが、狭い道路には、朝から体格が立派な女性達が行列をなして集まり、私は履歴書には一切目もくれず、美形でなく、太ってメタボを超越した背が高い九十キロ以上の女性を選んで採用したが、言うまでもなく、両親が他界し親類とも疎遠であることが前提条件である。
美人を何故初めから、不採用にしたかと言うと、彼女達には恋人、もしくは友達が大勢いる可能性が高く、こちらの思惑に合わないからだ。
秘密の漏洩は、絶対許されないケケケケ。「また出てしまった、すみません」

店を四日間休業にして、早速、厨房の改装を、依然知り合った業者に突貫工事を頼み、調理関係者以外入れない静脈認証装置を設置し、霊安室の様な細長い、肥えた人間でも四人充分横になれる冷凍設備を四か所造り、同時に安全を期する為に、別棟を造り、ホール担当専用更衣室にした。
更に、大きなまな板を別注で誂え、包丁類も大きく頑丈でしかも刃先の鋭利な物を調達した。
不要な骨や肉類を処分するための大型ディスポーザーを備えたので、相当な出費であったが、直ぐに償却出来る目算は充分あった。

A四新装開店チラシを店の周囲を中心に主要四紙の朝刊に奮発して合計九万枚折り込んだ。
しかし、二年前のオープン当初と変わらない客入りで、二階も含め九十席が満席になることは一度も無く、半分席が埋まるのがやっとだった。
しかし、レジで清算していた私に、お客様全てが「こんなにも柔らかく、しかも歯応えも適度にあって、ジューシーで、何故か懐かしい味がする。大いに宣伝させて頂きますよ」と言って下さるので、成功を確信すると共に身体の芯から勇気が漲って来た。

キリスト教でもこう言われている。
「パンはキリストの肉、ぶどう酒はキリストの血、パンを食べることはキリストの肉を食べる
ことに等しい」と。

また、鉄,銅の精錬技術を持たずに、石器文明に甘んじていた為、西欧人が造った武器を見た事すら無かったインカ帝国を、滅亡に追いやったスペインの軍隊長が、本国宛てに報告した書簡があった。
それには「インカの人々は、敵部族兵士を殺害して、焚火でこんがりと焼いた人肉を、皆で歓喜の雄叫びをあげ、天に向かい何度も捧げながら、嬉々として踊り狂いながら食べるというカンバリズムの風習が、今なお継承されている」という事実が記述されていた。
幸い、尖った山々が聳え立つウルバン渓谷の標高二千二百八十Mの頂にある、老いた峯を意味する、空中都市、マァチュピチュを見つける事は出来なかったが。

「目には目を・・・・・・」という楔形文字の法典で有名なカルタゴの将軍ハンニバルが、味わった惨い逸話も残っている。
紀元前二百十八年、兵五万と戦像三十七頭を率いてローマに侵攻中、氷山と化したアルプス山中で、食べ物を殆ど口にしていなかった下級兵士達により、目の前で妹を食
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