番外編 赤星小梅
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。もう、私の目の前で親しい人間が亡くなって居なくなるのは嫌なんです!』そう言って泣きながらエリカは私に必死に説得したよ。まだ私を必要としてくれる人間がいると分かって私は目が覚めた。それから小梅も知っての通り、私はエリカと一緒に黒森峰を西住流を変える為に動いた。」
まほさんだって初めから黒森峰を立て直そうと動いたわけではない。もがき苦しみながら答えを出して動いたのだ。
「世間では私が黒森峰を立て直したと言われているがとんでもない。本当に称賛されるべきはエリカだ。エリカがいたからこそ私は立ち直れた。そして私は自分の道を決めた。エリカの様にどんな絶望に落ちても人を導いていける人間になりたいと、私と同じように絶望した人を救ってあげるだけの人間になりたいと思った。だから私は戦車道の講師という道を選んだ。」
「まほさん」
「それが今でも私が戦車道と向き合っている答えだよ小梅」
交じりっ気のない答えだった。実際にここまで来るのに辛い道のりだった事は私は聞いている。母親と一緒に西住流を変えようとして裏で旧勢力との戦いと、あらゆる戦車道の強豪よりオファーを全て断ってありもしない事を言われて叩かれた事もあった。それでも西住まほは自分の道を曲げなかった。自分の信じる道を進んで、望む先に辿りつくまで彼女は止まらない。
私、赤星小梅の人生は確かに順風満帆とは言えなかった。でも、それでも私はまほさんやエリカさんのように戦車道とようやく向き合えた。まほさんのように戦車道の講師でもなくエリカさんのようにプロリーグのスーパースターにもなっていない。今の私は資金も少ない人員も少ないないない尽くしの弱小の社会人チームに所属している。何年も戦車道から離れてブランクもあって周りの足を引っ張ってしまっているが、それでも私は戦車道を続けている。今は亡くなってしまった友達や尊敬する人達に少しでも追いつく為に……。
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