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呪われた喫茶店
呪われた喫茶店
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社会主義)と呼ばれ、二十世紀以降のイ
デオロギーに大きな影響を残した人物だ。彼は、資本主義社会の研究をライフワークとし、主著「資本論」で、結実した。「資本論」に代表される経済学体系は、マルクス経済学、「資本論」に代表される経済学体系をマルクス経済学と呼ぶ。
一方、ジョン・メイナード・ケインズは、イギリス生まれの経済学者で、二十世紀最重要人物
の一人だ。いまなお、経済学者の代表的存在であり、有効需要にもとづいてマクロ経済学を確立させた。彼は、経済学の大家アルフレッド・マーシャルの弟子で、父であるジョン・ネヴィル・ケインズも経済学者である。
祐樹は、経済学の習得だけでなく、積極的に経営学も勉強した。企業組織だけに留まらず、全ての組織体、自治体・NPO……などを対象とした経営学をも学んだ。【マネジメント】の発明者ピーター・ファーディナンド・ドラッカーの「現代の経営(上・下)」。淺羽茂著「経営戦略の経済学」。その他、多くの書物を、ボロボロになるほど熟読した。そればかりか、祐樹は他の学部の講義にもできる限り出席しだが、特に、文学部哲学科に魅了されていた。
祐樹は、次第に実存主義に傾倒していった。パスカル、キェルケゴール、ニーチェ、ヤスパース、ハイデッガー、サルトル、メルロー=ポンティ……などの代表作は、ほとんど読破していた。何度も繰り返して、読んだにもかかわらず、ハイデッガー、メルロー=ポンティの著した書は、特に難解で、未だに深く理解できていない。
千九百三十年代、ドイツのマルティン・ハイデッガーやカール・ヤスパースらによって、【実存】
の導入が図られた。【実存】の考え方は、第二次世界大戦後、世界的に広がりをみせた。祐樹は、哲学者の中でも、ジャン=ポール・シャルル・エマール・サルトルに心酔していた。第二次大戦後、【実存主義】がフランスに輸入され、サルトル等によって広まった。サルトルは、千九百五年 〜 千九百八十年のフランスの哲学者、小説家、劇作家であり、幾多の著作の中でも、千九百四十三年刊行された「存在と無」は、祐樹に感銘を与えた書だ。その書は、実存主義のバイブルでもある。今まさに生きる自分の存在である、実存を中心とする。特に、彼の実存主義は、無神論的実存主義である。
【実存は本質に先立つ】と主張し、【人間は自由という刑に処せられている】と言い切っている。

皮肉な事に、祐樹が入学した大学はミッション系だった。構内に入ると、直ぐに十字架が目に
飛び込んでくる。チャペルも立派な茶系統の建物だ。一年時には、「キリスト教概説」が、必修科
目になっていたとは言え、キリスト教を学生に押し付けない。だから、祐樹は、友人達にサルトルの思想への賛意を声高≪こわだか≫に表明していた。
ヒョウキンな友人に、良くからかわれた。矢田と言う面白い友がいた。彼は祐樹に尋
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