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呪われた喫茶店
呪われた喫茶店
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たもの。「逆さまに釣り下げられるような苦しみにあっている人を救う法要」という意味だ。十
四日・十五日は、霊が家に留まっている期間である。だから、仏壇にお供え物をして、迎え入れた精霊の供養をする。日本では、仏教伝来以前から「御霊(魂)祭り」をしていた。つまり、祖先の霊を迎える儀式が存在したのだ。推古天皇の時代。僧と尼を招き食事や様々な仏事を行う"斎会〔さいえ〕"が設けられた。この様式が、現在の「お盆」の原型になった。

浅田祐樹≪あさだ ゆうき≫は、当時、Fコーヒーで営業課長をしていた。現在では、営業部次長にまで昇格しているが。
最大の生産国ブラジルや、インド、中国……などの途上国でコーヒーの需要が高まっている。さらに、投機マネーの市場への流入で、コーヒー豆の値が上がっている。そんな状況の中、現在、我が国では、消費者のコーヒー離れが進んでいる。にもかかわらず、(株)Yコーヒー業績は、右肩上がりの成長を続けている。今では、早くも東証1部上場企業に名を連ねている。 
祐樹と智也は小・中と同じクラスだった。お互い心許せる仲で、何でも相談できる親友である。いわゆる、【竹馬の友】だ。今でも、親密に家族付き合いをしている。お互いの家も、三分も歩けば行ける近さにある。子供の頃は、頻繁≪ひんぱん≫に泊まりに行った仲だった。幼馴染≪おさななじみ≫だ。今では、お互い住む場所も当時と変わっているが。
「貴方も祐樹君のように、もっと勉強したらどうなの!」
智也は、母から小言とも激励ともとれる説教に辟易≪へきえき≫していたが……。身長、体重では、智也の方が勝っていて、がっしりした肉体の持ち主だ。しかし、成績は、それに反比例していたのだった。クラスでの成績は、智也の成績は下だった。同級生が、休みを謳歌≪おうか≫していた時期……春休み、夏休み、短い冬休み。遊ぶこと以外好きでない学校に、智也は、毎日せっせと通っていた。補修授業を受けねばならないからだが、それほどにお粗末な成績であった。彼は、辛うじて商業高校を卒業できた。それが唯一、親を涙ぐませた親孝行でもあった。
祐樹の成績は、智也の成績とは、まるで、雲と泥との差であった。
祐樹は、学年でも上の上であり、そのせいで、高校からは二人別々の学校に通わざるを得なかった。
祐樹は、関西四天王と呼ばれる兵庫県にあるK大学に入学できた。しかも、最難関の経済学部に、見事に現役合格を果たしたのだ。
当然だが、経済学の勉学に真剣に取り組んだ。四年間の大学生活で、多くの書を読み漁った。カール・ハインリヒ・マルクスの「資本論」、ジョン・メイナード・ケインズの「雇用・利子および貨幣の一般理論」……など。
 カール・ハインリヒ・マルクスは、ドイツ出身でイギリスを中心に活躍した哲学者、思想家、
経済学者、革命家。彼の思想はマルクス主義(科学的
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