第四十五話
[1/3]
[8]前話 前書き [1]次 最後 [2]次話
…………暇だ。
俺はベッドに寝転んだままそんなことを考えていた。
不貞寝しようとベッドに寝転んだは良いものの、寝坊するほど寝たせいか、全く眠くなかった。
皮肉なもんだ。
俺は体を起こすと、ドラム缶の上に置いてあるゴーゴンさんと目が合った。
…………そうだ、どうせあいつらも暇してるだろ。
俺はスマホを手に取ると、悠人と拓海とのグループに連絡を入れる。
『暇か?』
直ぐに返信が来た。悠人だった。
『全自動スリーポイントシュート機を製作中。』
あいつは一体何をしてるんだ。
すると、写真も一緒に送られてきた。
そこには、三角コーン二つに棒を通したものの上に、お盆が付いた幅の広い板を置いている物の隣に、悠人がピースしている写真だった。
投石機だろこれ。
恐らく、下の棒がポキッて逝くと思う。
すると、拓海からも連絡が来た。
『今、そっちに向かってるとこ。今回は四日間。』
ふむ、ナイスだ拓海。
俺はスマホを置くと、机の引き出しの中からPHP(プレイホームポータブル)を取り出す。ゲームしながら木曾達にどんな感じで謝るか考えておこう。
俺は電源ボタンを押した。しかし、画面は真っ暗のままだった。
…………充電切れのようだ。
俺は溜め息をひとつすると、充電ケーブルを取り出してコンセントに差す。暫くはこのままにしておこう。
…………まーた暇だ。
俺は立ち上がると、ドラム缶の前に腰を下ろす。ドラム缶に触ると、ひんやりとした感触を覚えた。
…………ずいぶんと長いことここに置きっぱだなこれ。この鎮守府に着任したときからずっとここにあるからな。
そもそも、なんであんな変な感じで運を使っちゃったんだろうか…………。今となっては懐かしい思い出だ。
あの頃は随分と平和だったなぁ。今じゃ週に三、四回は出撃してるからな。疲れが出たのかもしれんな…………と言うことにしておこう。
だって、そうじゃないとあんなに爆睡しないもん。酒が入ってたとは言えどもだ。
色々反省。若干無茶してたのは事実だ。
それでも、こんなところで生活してたら無茶するなってのが無理な話か。どうしても命を掛けてるから、精神を磨り減らしてしまう。
肉体的な疲れは一晩寝れば消えるけど、精神的な疲れは貯まってしまう。この鎮守府の弾薬位貯まってしまう。
二番目に多い燃料の二倍はあるぞあれ。
となると、この際だからしっかり休んだ方が良いのかもしれない。
…………もしかして、そこのケアのために提督は謹慎処分を…………?
んなわけないか。
まぁ、どのみちしっかり休めるんだ
[8]前話 前書き [1]次 最後 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ