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とある3年4組の卑怯者
90 猜疑心
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言えばいいのかわからなかった。
(やっぱり、藤木さんも堀さんばかり見てる、やっぱり私なんかよりも堀さんの方がお似合いかもしれない・・・)
 みどりは自分が蚊帳の外だと感じた。
「うん、そうだね、あ、そうそう。僕も後から知ったけど、あの人元スケート選手だったんだ・・・」
「え!?」
「うん、名前は片山次男って言うんだ」
「そうだったの、オリンピックにも出場した事ある人だったのね。それならもっと頑張ろうよ!ね?」
「うん、そうだね、僕、絶対負けないよ!」
「そうだ、先ず私と一緒に滑っていいかしら?」
「うん!」
 藤木と堀はお互い手を繋ぎあい、滑り出した。堀は藤木を応援すると共に藤木に惹かれていた。
(藤木君、やっぱりスケートしている時はいきいきしてる・・・、格好いい・・・)
 藤木と堀のお互いの目があった。二人とも笑顔で照れた。その頃、みどりは藤木と堀が楽しそうに滑る姿を見て大ショックだった。藤木は堀に対して今まで見たこともない笑顔を見せている。やっぱり藤木は自分よりも堀の方がいいんだ、藤木に嫌われた、とみどりは思った。
(やっぱり、藤木さんは堀さんの方がお似合いだわ・・・)
 みどりは泣き出した。堀と出会う前の学校生活のような孤独感と、堀は自分から藤木を奪うのではないかという嫉妬と猜疑心でいっぱいだった。
「うわ、うわああ〜ん!!」
 みどりはスケートリンクから出ていった。

 藤木と堀が滑り終わる。
「吉川さん・・・、ん?」
 堀がみどりも滑ろうと催促するために呼んだが、みどりはどこにもいなかった。
「みどりちゃん、どこに行ったんだろう?」
「トイレかしら?」
 藤木と堀はみどりはどこへ消えたのか気になった。

 笹山は藤木の行動が気になっていた。藤木はスケート場に行っているのではないかと思い、午後はスケート場へ行って確かめる事にした。母親には城ヶ崎と遊ぶと言って家を出た。
(なんで藤木君の事がこんなに気になるのかしら?)
 笹山は己を疑っていた。確かに藤木の空回りで彼に迷惑した事もあった。でもそれでも藤木を見切ったりしなかった。でも今は不幸の手紙事件彼を完全に嫌ったにも拘わらず藤木を心配している。なぜこんな事をしたくなるのか笹山自身にも解らなかった。

 みどりは貸し出したスケート靴を受付に返し、スケート場を出ていった。行き先は決めておらず、別れ道は適当に決めた。泣きながら。
友達(ほりさん)好きな人(ふじきさん)を取られるなんて、私の恋は終わったのね・・・)
 みどりは失恋したと思い、泣き止む事もできなかった。めちゃくちゃに走っていると、誰かとぶつかった。
「キャア!!」
 みどりもぶつかった相手も反動で尻餅をついた。
「ご、ごめんなさい・・・!!あ・・・」
 みどりはぶつかっ
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