90 猜疑心
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藤木は今日、和島俊という強敵が現れたことを堀に相談しようと、堀の家へ電話を掛けた。
「もしもし、堀こずえさんの友達の藤木と言いますが、堀さんお願いします」
堀の母親が応答し、堀に電話を替わった。
『もしもし、藤木君。どうしたの?』
堀の声は優しげな声だった。藤木はその声で彼女に相談したい気持ちを起こした。
「あの、実は・・・、大会でやっていけるか心配で・・・」
『え?どうして?』
「今日、僕みたいにスケートが凄く得意な子に会ってさ。それも、僕よりずっと上手そうで、僕と同じ大会に出るんだ。それにカッコいいし。僕、その子に負けそうな気がして不安なんだよ・・・」
『そう・・・』
堀の反応で藤木はもしや彼女に見切られたのかと一瞬不安になった。
『でも藤木君、いくら手強いからって無理だなんて思っちゃだめよ。こいつに勝ちたい、って思ってやればきっと勝てるわよ!だから自信失くさないで!』
「堀さん・・・、うん・・・」
『そうだ、また私に吉川さんとスケート場で会おう!明日は土曜で学校も午前で終わるし、いつもより沢山練習できるわ』
「うん、そうだね!僕、頑張るよ!」
藤木はありがとうと言って電話を切った。
学校でみどりは堀に声を掛けられた。
「吉川さん」
「な、何でしょうか?」
「昨日、藤木君から電話があって、藤木君自分よりスケートが上手い子に会って落ち込んでるって。今日、一緒に藤木君に会いにスケート場行かない?」
「え!?は、はい、分かりました・・・」
(藤木さん、堀さんを頼りにしている・・・!?やっぱり藤木さんは私よりも堀さんの方が・・・)
みどりはさらなる不安に駆られた。
藤木は学校が終わると直ぐに家に帰った。笹山は藤木が相変わらず気になった。
「笹山さん、藤木なんか気にする事ないわよっ!」
「え?どうして分かったの?」
城ヶ崎に悟られて笹山は驚いた。
「だって藤木の方ばかり見てるんだもん。あんな不幸の手紙送るような卑怯な奴心配する価値もないわよっ!」
「う、うん・・・」
(やっぱりスケートしに行ってるのかな・・・?)
笹山は藤木について調べようと思った。
藤木は昼食を家で食べた後、母親に断ってスケート場に向かった。藤木は滑る前にトイレに行こうと思い、トイレに行った。その後、少ししてみどりと堀が来た。
「藤木君」
「やあ、堀さん、みどりちゃん・・・」
「昨日手強そうな子が現れたって?」
「うん、僕よりもずっとステップも、ジャンプもスピンも軽々とこなせてしまうんだ・・・。今ここにはいないけど・・・」
「そうだったの、でも藤木君、相手が凄くても圧倒されちゃだめよ。あの人も藤木君の技術を認めているんだから、自分の凄さを見せつけられるわよ」
みどりは話に入っていけず、何を
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