第七章 C.D.の計略
ディライン その在り方
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がいた。
苦しみの中で振るった剣があった。
ただ敵を倒すだけでない。
人類の―――人間の自由と平和のために戦った彼らには、戦いの功績があった。
そして、それ以上に苦しみと別れ、そして絶望があった。
もはや人に戻れぬ苦痛。
人並みの幸せは望めぬ身体。
家族を目の前で奪われる怒り。
絶対だったはずの存在に裏切られる。
自分が自分で無くなる恐怖。
人ならぬ異形への変貌。
どうしても救えぬ運命。
先に歩を進めるほど増える人、仲間の死。
決して以前の日常には戻れぬ絶望。
いつまでも果てない、終わりなき戦いの連鎖。
何かを救うために何かを切り捨てなければならない苦悩。
大切なものが消えていくのを、ただ見ていることしかできない哀しみ。
ただ一人理解されぬまま戦いを続ける苦しみ。
失うとわかっていながらも、戦いを続けるしかない恐怖。
自らを投げ捨ててでも続けなければならない争い。
すべての友を救うつもりで、友を倒さなければならない悔しさ。
守り続けていた者を失う虚無感。
栄光よりも、なお濃い挫折。
希望よりも、なお深い絶望。
勇気よりも、なお暗い恐怖。
彼らはそれらを知り、そしてそれらを踏破した者。
だからこそ彼らは破れなかった。
だからこそ、彼らは強く、敗れることなく存在し続けたのだ。
「裏切ったから強いんじゃない。脱したから残ったんじゃない!!強かったから、何者にも屈しない思いがあったから、仮面ライダーは勝ち続けるんだ!!」
「それを理解しないお前に、俺の行動は確かにわからないだろう。あいつらを知っているからこそ、俺はあのカードの力を引き出せたんだ」
「ギッィ・・・ギギギ・・・ライダーの・・・・チカラ・・・ソレガスベテ!ソレガツヨサ!!ワカラヌワカラヌ。ワレニハワカラヌ。ナゼダナゼダ。ワレニハトケヌ。キサマハナゼツヨクナッタでぃけいど!!」
「俺は、すべてのライダーを破壊し繋いだ。仮面ライダーディケイドだ」
「ガガガ・・・・」
「全部のライダーの力があるかわからんが、それも知らずにかかってくる何ざ・・・・仮面ライダーだと?10年早ぇよ」
ただ一撃。
まともに喰らったのは、最後にキックのみ。
だというのに、ディラインのダメージは増えていく。
徐々に、徐々に増えていく。
まるで内部に記録されたライダーの記録が、呼び覚まされていくかの如くそのシステムを浸食し
パキン
そしてついに、マスクが割れた。
さらにディラインの装甲がザラリと鉄屑のようにバラケていき、後に残ったのは眠ったように倒れる鏡花のみだった。
その鏡花を抱え上げるディケイド。
いわゆるお姫様抱
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