友達の絆<全>
[1/4]
前書き [1]次 最後
フランス MONCLER製で、高級素材を使ったプレミアム・ダウンウェアで最高級とされるグレイグースを用いているダウンジャケットと、生後初めて刈り取ったアルパカの毛で作った刈り取りは生涯で三 〜四回程に過ぎない高級品質ベビー・アルパカのセーターを脱いで、脇に抱えなければならないくらい、陰鬱に満ち溢れた森を抜ける上り坂はとても急峻である。
アメフトで鍛えた私でさえ、低く暗雲立ち込める一面の重々しく薄暗い空から、吐きだされる粉雪が舞い散る真冬にもかかわらず、汗だくでハアハアと息を切らし、今にも心臓がピークに達しようかと思えるのに、「地元の人々は、どのようにして登るのかな?」という疑問に囚われる。
というのも、お年寄りの割合が非常に高く、各家庭には、ほとんど単車や車等ないからだ。
自転車では、どんなに健脚を誇る競輪選手でさえ、登り切るのは困難だろう。
「やはり、そうすると、村人は徒歩で登るのだろうか? 」
いわゆる過疎になりかけている小さな村に、年老いた両親と祖母が住んで居るからと言って、一人っ子で心優しい友は、こんなにも不便極る所に住んで、車で片道二時間ほど費やして、兵庫県姫路市内にある皮革製品メーカーの課長席に就いて、仕事をこなすために毎日せっせと通っているのは、私には到底真似できない孝行者だと、今更ながら大いに感心する。
ぼんやり見えていた、輪郭の判然としないぶよぶよしていた太陽も、地平線に隠れようとする時間帯に「どうして、徒歩で悪戦苦闘して坂を登っているのか? 」って。
フォードグループが、経営不振でインドのタタ・モーターズに約二十三億ドルで買収されたとはいえ、イギリス王室御用達であり、高級車ではXJがブレアー前首相公用車に選ばれ、エリザベス二世女王、エジンバラ公、チャールズ皇太子御用達指定車で、私の愛車である、アルミボデーで軽量化したブリティッシュレーシンググリーンが素敵なジャガーXJが、故障したためだ。
まだ、新車に近いほどしか走行していないにもかかわらず、電気系統のトラブル、多分、コンピューターの異常だと考えられるが、坂の上り口で運悪くエンストしてしまったからだ。
アメ車に乗っていた時は、電動式トランク、ドアーミラー等の電気系統のトラブルに悩まされた。更に悪いことに、修理代は日本車の三〜四倍が相場だ。
随分前だったが、ベンツSL5のエアコンが利かなくなったので、馴染みである車工場社長に直接診ていただいた。
最初は単純なガス漏れかと思い、小さな穴なら埋められる特殊な液体と五本の冷却ガスを、注入したがガス漏れは治らなかったのだ。仕方なく、その日は代車のBMWで事務所に帰った。
運転席、助手席の前のダッシュボードも、下の部品も、全て外して修理したため、七十万近くの請求書が、数日後に私が経営している弁護士事務所に届いた時
前書き [1]次 最後
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ